男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

宇宙戦争 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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今年のベストは今作か『シンシティ』なんですが、とにかく一刻も早く自宅のdtsであのヴォエーーーーーーーーを堪能したくてたまりません。

公開当時『ゴジラ』一作目以来初めてのまともな怪獣映画だと評価したのですが、『ゴジラ』があくまで日本の国家規模の視点で描かれているのに対して、『宇宙戦争』の素晴らしいところはあくまでもトム・クルーズ扮する父親の視点から描かれている点だと思うので、明らかにこの映画は独立した恐怖映画の1ジャンルを開拓しているのだと最近は感じています。個人的な感覚でいうと、もっとも悪夢に近い構造を、あの大作に持ち込んだところが凄いというか。怪獣映画を色々観た後に、個人の中で悪夢に置換されたモノを更に映像化しているという感じでしょうか。低予算が当たり前のホラー映画や従来のSF侵略モノなどは必然的に登場人物も少なく、それゆえ主人公の視点で語られる場合が多くなるので、結果として個人の悪夢という雰囲気を生み出し易いのですが(スケールの大きな滅亡を想像させるあたりとか)、大作で強力なVFXを駆使しながら、その構造を完全に意図的に作品化するあたりはスピルバーグの分かってる加減がガンガン感じられて尊敬すらします。原作では弟の視点が途中に挿入されたりするんですが、この映画では徹頭徹尾トムの視点のみなので、観客に与えられる情報は完全にトムと同一なのが最高なんですよねえ。外宇宙からの侵略という悪夢を疑似体験する願望を満たしてくれる映画はそうそうないですよね。あるとするなら

ボディ・スナッチャー/恐怖の街 [DVD]

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SF/ボディ・スナッチャー [DVD]

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ボディ・スナッチャーズ [DVD]

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の『盗まれた街 (ハヤカワ文庫 SF 333)』リメイク三部作でしょうか(再び「ヒットラーの12日間」の監督オリバー・ヒルシュビーゲルがリメイクしているようで楽しみです)。

これらに共通する「絶望的などうしようもない感」は筆舌につくしがたいのですが、一番問題なのはそれをわざわざ観ようという観客が意外に少ないということです。まあ、そりゃそうなんですが……