男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

アリゲーター [DVD]

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『暗くなるまで待って』はやっぱりみんな驚くんだなあ

『思わず絶叫のおもしろ超貴重動物100連発』というテレビ番組を観ました。バカらしいクイズ形式にせず、出来るだけ多くの動物映像を流すという姿勢は楽しかったです。ネットで以前話題になった感動的な『水牛とライオンとワニ』の映像も流され、それを観ているとつい観たくなってしまいました。

DVDにはロバート・フォスターと監督のルイス・ティーグの音声解説がついていました。2人ともハッキリと「この映画は『ジョーズ』のパロディだよ」と明言しており、ルイス・ティーグが『ジョーズ』のようなショック演出を目指したが巧くいかないので、編集のヴァーナ・フィールズに電話をした話が面白かったです。

ヴァーナ・フィールズが「スピルバーグは『暗くなるまで待って』を参考していたわね」といっていたそうで、ティーグも同作を参考にして研究をしたそうです。

暗くなるまで待って [DVD]』はオードリー・ヘプバーンが盲目の女性を演じた室内劇で、アラン・アーキンやリチャード・クレンナが競演しているサスペンス映画です。テレンス・ヤングが監督なんですが、劇中一箇所思わず尻が座布団から浮くこと間違い無しの超ショック・シーンがあるんです。ここで話題になっているのはそのシーンに間違いないんですが、スピルバーグもあれを参考していたのというのは初耳だったので興味深かったです。

この作品自体も研究しているだけあって何箇所か非常に巧くいっているショック・シーンがありますが、今回観なおして驚いたのは、初めてロバート・フォスターが新米刑事と下水道探索をするシーンで、2人の背後にヌっと一瞬ワニの姿が映るショットが大変ビクっとなる見事さだったことです。こけおどし的なショック・シーンとは違う近代的な恐怖ショットが印象的でした。テレビだとトリミングと画質の悪さで気付かなかったのかもしれません。

この映画で特別印象に残るのは下水道のシークエンスで異議は無いと思うのですが、懐中電灯による照明効果が非常に見事です。あれらは懐中電灯に仕掛けをして光の2割を役者側に反射するようにしているそうです。なので、懐中電灯だけの光源で撮影が出来たとティーグは語っていました。セットもあるようですが、実際の下水道ロケによる閉塞感の効果は絶大で、最高過ぎますね。

あとトラウマ確実の、子供が意地悪でプールに落とされたらそこにいたワニが大口開けて待ち構えているシーンは今観てもヤバいです。音声解説でも「現代ではありえないですよね」と語られていました。そういえば『ジョーズ』でも少年が第二の犠牲者ですから、動物パニック映画では女子供も容赦なく犠牲になるのがリアリティを生んでいるのかも知れません。ボクの愛する『プロフェシー恐怖の予言』でも子供が寝袋ごとぶっ飛ばされますしね。

この映画と『ピラニア』の二作はジョン・セイルズ脚本による動物パニック映画の要点を抑えまくった傑作ですね。