男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ロミオ&ジュリエット

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気合みなぎる怪作


スターチャンネルHV

バズ・ラーマンが『ロミオとジュリエット』を現代(?)を舞台にして製作した作品。舞台を現代にして作るなんてのは星の数ほどあるアイデアですが、この作品はバズ・ラーマンの怨念を感じるほど気合が入りすぎているのが特徴でしょうか。現代を舞台にしているのに台詞はそのまま原典どおり使用するアイデアが素晴らしいです。あのポエティック全開の台詞群が現代の絵面と乖離した感じを生む事でやけに印象深く感じられます。単純にカッコイイ台詞が多い。
劇場で観たときは場内をほとんど女性が埋め尽くすほどで、ディカプリオが完全にブレイクするきっかけになった作品としても重要でしょうか。『タイタニック』のあれほどのヒットは、実はこの映画の功績が半分を占めているとボクは考えています。それぐらいこの映画ではディカプリオが光り輝いています。
ジョン・レグイザモの決めギメの挙動による冒頭シークエンスの銃撃戦から映画は力づくで観客の心を鷲掴み、その後もいっこうにその手を緩めないもんだから普通じゃありません。それでいながら要所要所のロマンチックなシークエンスも(やはり力づくですが)しっかり過剰にエモーショナルに仕上げているのが油断できません。
悲劇の頂点であるラストの礼拝堂のシークエンスは、今時考えられないぐらい劇的な音楽と共に尋常ではないテンションで盛り上げてきます。
クッタクタになる映画ですが、バズ・ラーマンの最高傑作は今のところこれでしょう。他のはどうも疲れるだけという感じです。ははは。そういう意味でもシェイクスピアの力が大きいんじゃないでしょうかね。