男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

Cloverfield 【Blu-ray】北米盤


Cloverfield【Blu-ray】 (2008)
Starring: Mike Vogel, T.J. Miller Director: Matt Reeves
List Price: $39.99
Price: $16.95
You Save: $23.04 (58%)




In Stock.


「DVDでもいい」とかは論外。

クローバーフィールド』のブルーレイ北米盤が到着しました。発売日には在庫がなかったようで、ちょっと遅れての発送でした。

一番最初に言いたいのは、映画の特徴である”家庭用ビデオによる映像”で構成されているという設定を勘違いして、「DVDで充分。ブルーレイの意味はない」という意見はまったく勿体無いということです。そのぐらいハイクオリティなHD映像が堪能できます。”事態”が勃発する前までのプロローグ部分では若干甘めの処理が施されていますが、いよいよ”事態”に突入するや映像のクオリティは本領を発揮してきます。
怪物に蹂躙されていく街の描写が生々しいほどの質感で捉えられているのを忠実に再現している様は圧巻です。ハンディカメラという設定上基本的にワイドレンズでの接写が多くなるのですが、その際の背景が緻密極まりないです。宙に舞う埃や、壁に滴る水滴、瓦礫が散乱した道路などなど、HDクオリティがこれでもかと堪能できます。
そして、何よりブルーレイであることの意義は”音”です。
劇場で観たときもそのサウンドデザインの秀逸さとド迫力に圧倒されましたが、今回のBDに収録されているドルビーtrueHDロスレス音声の生々しさと迫力も半端じゃないです。
言うまでも無く臨場感を生み出すのに音は欠かせない要因です。『クローバー・フィールド』がメジャー映画であることのアドバンテージはまさにここにあって、ただのアイデア一発のインディーズ映画とは一線を画している部分です。それぐらい音に対する予算効果は凄まじいものがあります。
撮影者であるハドの衣擦れの音や呼吸音に始まり、重低音を効かせた怪獣の破壊音や襲撃音、軍隊による攻撃の迫力や、それが遠くで聴こえてくる空間処理の広さ、静けさと没入感を生み出す環境音の緻密などなど。そして、それらが絶妙に5.1chに配置された移動感などなどは、恐ろしいほどの臨場感を生み出しています。どこが凄いと言うのはとてもじゃないけど選べず、「全部凄い」としかいいようがないです。

手ぶれ効果の影響も考慮されているのでしょうか、上映時間は84分とコンパクトになっていますが、登場人物たちの体験する冒険の数々はかなり濃密。ハンディカメラの設定を巧みに使ったフラッシュバック(実際はあんなことにはならないでしょうけど)処理や、余計な部分をどんどんカットしていく編集も非常に冴え渡っています。

ただ、一つ残念なのはハンディカメラという設定によるのかハリウッド調なのか、全体的に明るすぎることでしょうか。見えすぎるといってもいいんですが、もっと夜の暗さを強調した演出が観たかったです。特に残念なのはクライマックスである倒壊したビルのシークエンスでしょうか。あそこのセット臭さは明らかに照明の設計ミスとしか思えません。ハンディカメラという設定なのでどんな状況でも露出を調整して明るくしてしまうのは分かるんですけど、やはりあそこは没入感が途切れてしまいます。折角凄く盛り上がるのに!

”一般市民をメインキャラにした怪獣大都市蹂躙モノ”と言うジャンルの成立を証明しただけでも有り余る偉業なので、もっともっとこの世界を広げて見たいと思ってしまいます。それこそテレビシリーズでもいいから”あの夜”を舞台にした様々な一般市民の視点を見せてもらえたら楽しいんですけどね。テレビ界の人間であるエイブラムスが関わっているんですからやればできそうなんですけどねえ。もちろん怪獣なんて一切でなくてもいいわけですから。

メイキングを見ると非常に計算されて製作されていることが分かるので、日本盤で具体的な内容が早く知りたいです。

クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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ブルーレイも出るでしょうけど、音声解説とメイキングの字幕が観たいので購入予定です。アメリカの時間差で考えるなら年末ぐらいにブルーレイが発売されるんじゃないでしょうかね。『トランスフォーマー』とかも似た時期に出そうですし。