男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 [Blu-ray]

こちらは以前放送されていたHD版を未見なので、今回初めてHDクオリティでの鑑賞になります。
DVD版が結構粗い作りだったのですが、今回も改めてレストアされているということはなく、解像度の向上が目に付く程度です。全体的にフィルムっぽさがダイレクトに収録されている感じなので、『イノセンス』との対比という意味でも、こちらのほうがアナログ時代におけるデジタル社会の描写という作品の時代性には似合っています。冒頭のスーパーの処理のアナログ感がモロにそれを感じさせているのが狙いなのかもしれないですね(クレジットは英語表記なのに、あそこだけ日本語表記だし)。

こちらもLPCMで劇場版音声を収録していますが、明らかに迫力が違っていて素晴らしいです。徹底的にこだわっている銃器のSEなども威力がそのまま違いとして表現として感じられるほどです。

この作品はボクの中では珍しく観直せば観直すほど評価が高くなるのですが、今回もやっぱり面白く感じました。本編が82分という劇場アニメとしては異例なほどの短さが、最初に観たときは物足りなさを感じさせたのですが、観直すと上映時間の半分ぐらいが”人形使い”とのディスカッションドラマに費やされているのが凄いです。もちろん間にクライマックスといえる戦車との出色の戦闘シークエンスや銃撃戦などがあるのですが、それでも本編の骨格がやたらとシンプルで無駄がない。なので、素子が意味不明にスローモーションで川を下ったりする押井監督の作品では定番のシークエンスとのバランスがよく感じられます。
また、何度も書いていますが、川井憲次の音楽とその使い方がとにかく規格外なのが良いです。戦闘シーンなのに川井憲次の音楽だと定番であるドコドコを一切排してコーラス中心の静けさで盛り上げるってのは凄すぎます。