男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

スーパーマン

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やっと録画したのを観たのですが(なんと『リターンズ』はまだ劇場に行っていないという体たらく……)、今回の新録の吹き替えが結構いいです。勿論遺伝子に刷り込まれている初放送の佐々木功版とは較べられないですが、スーパーマンをアてた東地宏樹という人はやたらと声質が佐々木功タイプなので、殆ど違和感を感じませんでした。
そして肝心要のレックス・ルーサー(ジーン・ハックマンやっぱり無茶苦茶面白い)の銀河万丈が実に的確に小池朝雄節を再現していました。実はコロンボの時も石田太郎さんと銀河万丈さんが小池朝雄のあとを継いだことがあったので、声の感じが似通っているんですね。それにしても銀河万丈まできちんとコミカルな芝居をこなしているのがさすがです。
他のキャラは一新されているイメージですが、この二人は極力前回の吹き替え版になぞっているのが実に良かったです。

それにしても前半の青年時代は何度観直しても素晴らしい。ジェフリー・アンスワースのフィルター処理による紗のかかった映像と、雄大アメリカの田舎の風景、それを切り取るクレーンショットやワイドショットのスケール感。それにクラークの義父ジョナサンを演じるグレン・フォードがとにかく最高です。
ダメ高校生を演じることでフラストレーション全開のクラークが、

「ボールを持ちゃいつだってタッチダウンできるのにさ! 自分に出来ることをやってみせることは見せびらかすことになるのかい? 小鳥が飛ぶのは見せびらかすためかい?」

と文句を垂れるのを先ず全て肯定した上で

「お前は何か深い理由(わけ)があって地球に送られてきたに違いない。何のためにと言うことまではわからんが……多分……ううん……やっぱりわからんな……でも一つ確かだ。タッチダウンするためじゃない」

先ず相手の言いたいことを言わせてそれを聞いて、それから相手の気持ちをやわらげる。カウンセリングの極意がここに。大抵の人間は相手の愚痴なんか聴きたくないから話を途中で遮るし、自分の意見を言いたいから相手の話に反論したり挙句の果てに自分の愚痴を垂れる始末。
全国の親はこれを見てちょっとは学べ。

・・・

しかし、リターンズへの混乱を避けるための配慮なんでしょうが、テレンス・スタンプ軍団のくだりがごっそりカットしてあるのは寂しい限りです。あとオープニングのある意味この映画で最も盛り上がる部分をカットしているのもどうかと思いますねえ。まあ、あれ全編流すと途中でチャンネル変えられそうなほど「いつまで続くんだ」感が凄いですけど。別にそんなに必要の無いディレクターズ・カットのシーンを入れてまでカットしなくてもいいよなあ。