男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

マイ・ボディガード プレミアム・エディション [DVD]

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邦題が、ボクの大好きなトニー・ビル監督の「マイ・ボディガード」と同じなのがかなりムカついていたのですが、本編を観るとかなり原題の「MAN ON FIRE」がしっくりきていて、燃えました。色んなところで書かれている様に、邦題にだまされたカップル達が拷問シーンで凹む姿を想像してニヤニヤしました。

それにしても拷問シーンのデンゼルはかっこよかった! 凄くプロっぽく冷酷非常に作業をこなしていくのが最高です。トニー・スコットスピルバーグと違って病気ではないので、心臓にいつまでも残るような強烈さはないので、更に際立つような印象です。

前半のダコタとの心の交流を結構長く描いているのが、後半のマン・オン・ファイヤーぶりを物凄く引き立てていて効果的でした。特に水泳のスタートのタイミングが遅くて3位どまりのダコタを軍隊式に特訓するシークエンスは和みを通り越して爆笑しました。スタートの銃声にビビってスタートが遅れている事を知ったデンゼルが

「銃声は怖くない!銃声は怖くない!! もう一度大きな声で言え!」

「私は囚人だ! 銃声は私を解放してくれる! もう一度!!」

それに嬉々としてしたがって、見事に弱点を克服するダコタ。

最高です。

そんなこんなの後に突然ダコタが誘拐されるや、その後イメージショット以外ダコタは殆ど登場せず、終始デンゼルの復習戦がじっくり描かれるのが激燃え。

<以下ネタバレあります>

特に素晴らしいのが、厳重に警護された汚職刑事を奪還するくだり。銃器調達シーンで登場したロケット・ランチャーをいきなり人の家に上がりこんで準備するデンゼルが、警護を車ごとぶっ飛ばし、スーツのグラサン姿のまま容赦なくターゲットの防弾ガラスに銃弾をぶち込みまくるや、出てきた護衛を一瞬で撃ち殺して車に乗り込んで奪還成功。あそこは燃えるなあ。冷静で容赦ないプロってのが凄くツボなので。

その後のケツのアナに「パワフルな爆薬」C4を突っ込んでの拷問も素晴らしい。どうでもいいカウントダウンのスーパーも含めて。

ダコタが誘拐される際に重症を負ったデンゼルが、そのまま傷も癒えない状態で次々と悪党達に復讐していくのが実にいいんですよねえ。

まあ、父親が当たり前のように黒幕だったりして、そういう種類のカタルシスを全く観客に提供しないストイックぶりというか淡々さがこの映画の良さだなあと感じました。

ただ、トニー・スコットの相変わらずの自信なさ気な落ち着きのない演出はどうしたもんでしょうか?

処理が過剰で誘拐シーンがデンゼルの悪夢かとずっと思ってしまったぐらいです。メリハリをちゃんとつけないとなあ……って、まあトニー・スコットっていっつもあんなんなので文句つけるのも筋違いなのかもしれないですけど。

とりあえずこの映画のデンゼルはいいです。凄く。

燃える男 (新潮文庫)

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