男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

マイ・ボディガード [VHS]

マイ・ボディガード [VHS]

マイ・ボディガード [VHS]

勿論デンゼル・ワシントン主演で、ダコタたん共演の映画ではなく、同じトニーでもトニー・ビル監督の青春映画の傑作です。

先日『クローズ』(ISBN:4253211410)と言う漫画を読んでいたところ、リンダマンというキャラクターが出てきて、あまりにも懐かしくなったのでビデオを中古で購入しました(古いレンタルショップには置いてあるかもしれませんが)。

小学校6年生の時に水曜ロードショーで放送したのを観てから、当時ビデオで録画したものを何度も何度も擦り切れるほど観ていたほど大好きな映画です。

当時も今も売りになる要素が”マット・ディロンがいじめっ子役で出ている””ジェニファー・ビールスがエキストラで出ている”ぐらいしかなく、アメリカのDVDでもマット・ディロンがパッケージ大きく印刷されているほどです。

こちらのビデオジャケットの方が正しいイメージです。

もっとも、リンダマンに扮するアダム・ボールドウィンはその後『フルメタル・ジャケット』や『インデペンデンス・デイ*1などにも出演しています。何気にジョーン・キューザックも結構美味しい歯列矯正の女の子を魅力的に演じています。

あらすじは簡単で、坊ちゃん育ちのクリフォードが転校先の学校でマット・ディロン扮するムーディー(自称ビッグ・M)一派に絡まれて、リンダマンという悪中のワルから守ってやるから金を出せとなるんですが、当のリンダマンが出てくると守るどころかすたこら逃げ出す始末。それに一計を案じたクリフォードがリンダマンを逆にボディガードにして一泡吹かせる訳です。
弟を死なせた事故がトラウマになって内にこもるリンダマンも、友達になろうとするクリフォードに心を許して段々と交流が始まるわけですね。
しかし、そこにさらに強いマイク(つるっぱげ)と言う強面のボディガードを雇ったムーディーが復讐に現れて……

このリンダマンという寡黙な青年が子供のボクにはとてつもなくかっこよくて、まさに心のヒーローとして今もなお君臨し続けているわけです。

ヨレヨレの服に天然パーマのくりくり頭、いつもポケットに雑誌を突っ込んでいて誰とも口を利かずにそれを読んでいる姿に憧れまくりました。

特にリンダマンが一年がかりで組み立てていたバイクのシリンダーを探して廃車置場を二人で歩く場面から、いよいよバイクが完成して二人で乗り回すシークエンスは名シーン中の名シーンで、デイブ・クルージンの音楽が最高に盛り上げて心を熱くさせます。トンネルを通るたびに二人が後ろと前を入れ替わって運転するショットのつなぎや、今まで無口で無表情だったリンダマンが大ハシャギで後ろのクリフォードを見て話しかけたりするモンタージュは絶品です。

今回観直すと改めてデイブ・クルージンの音楽が実に良くて、ゆったりとして暖かい気持ちになるいい音楽です。

この隠れた名作といっていい作品も、デンゼル・ワシントンの例の映画に配給会社が同名の邦題をつけてしまったので検索しづらくなったのが非常に残念です。

無理だとは思うのですが、廉価版シリーズでもいいのでDVD化して欲しいと切に願います。

*1:ちなみに脚本製作のディーン・デブリンはこの映画に端役で出演しています。何故なら製作が身内のドン・デブリンだから。