男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『デジャヴ』★★★

デジャヴ(日本語吹替版)
デジャヴ(日本語吹替版)

どうりで今放送されるわけだ

経緯が複雑なのでちょっと整理すると。

まず深夜枠で放送していたのを例によって何気なく録画しておきました。トニー・スコットの映画はどういうわけだか敬遠する傾向にあるのですが、『アンストッパブル』でちょっとみなおして以来、できるだけ観ようと思っていたわけです。かと言ってわざわざレンタルしたりするほどじゃない(失礼な話ですがw)。

という訳で、今回も「テレビでやるならちょうどいいじゃない」という、極めて軽い(失礼な)気持ちで録画したわけです。

そして、これまたホントに気楽に観始めました。ちゃんと録画出来ているかなという確認程度の軽さでw

ところが、大塚明夫によるデンゼル・ワシントンの吹き替えが軽快なことや、冒頭のフェリー爆破のシーンがちょっとびっくり。

しかも、デンゼル・ワシントン扮するATF捜査官によるミステリーとしてストーリーが進む中、途中から様子がおかしくなる。

見る影もなく太ったヴァル・キルマーに誘われて訪れた捜査本部には、4日間と6時間前の映像を7台の衛星カメラによって3DCGとして再現できる装置が設置されていた!

「これ面白いんじゃないのか!」

と急きょ調べたところ、この放送はカット版であることが分かったので、「こりゃいかん」とiTunesを検索。SDとはいえ配信されたいたので慌ててそちらで観直しました。(TSUTAYA TVだとHDでの配信だったようです。残念!)


(以下ネタバレ)


この4日間と6時間前の映像が観られる装置の制限が素晴らしくて、早送りも巻き戻しも出来ない。つまり4日間と6時間前の過去を平行して観ることになる。しかし、Google Earthみたいにグリングリン映像を操作できて、なおかつ壁などもサーモなんとかを使ってすり抜けたりする。

ここらあたりの説明を2分程度でまとめると、映画は『張り込み』モノの変形になっていくんですね。もう死んじゃっている被害者の過去をグリングリンあらゆる角度から覗き見る感覚が新鮮で、この爽快感はなかなか凄い。

しかし、実はさらに驚くべき秘密があきらかになる。なんと実はそれはワームホールを偶然見付け出したことで実現したタイムマシンだった!

道理で2分ぐらいの適当な説明でよかったわけだ。もっとも、そのワームホールの説明も3分ぐらいで済ますけどw

ミステリーかと思ったら実はこれまた驚きのSFだったというわけです。テロの爆破事件を過去の手がかりを元に何とかしようというプロットは、現在公開中の『ミッション:8ミニッツ』とくりそつ。これには正直度肝を抜かれました。勿論この手のネタは定番といえば定番なのですが、こちらはデンゼル・ワシントンがミスディレクションになっており、まさかそんなSFになるなんて夢にも思わないので衝撃も半端じゃない。

しかし、そこはデンゼル・ワシントンはさすがで、そんな「すこし・ふしぎ」な世界観もなんのそのという順応性をみせつけます。

トニー・スコットとの腐れ縁で、片手間の仕事をしているように思っていたのですが、いやあデンゼルさすがですよ。

過去を改ざんしようとした結果、自分の相棒が死んでしまう事になるあたりの芝居は必見。

そして、ジェリー・ブラッカイマーが製作ということもあるのでしょうが、トニー・スコットが監督だけあって抜け目なくアクションも用意されている。このカーアクションが無茶苦茶工夫されていて手に汗握りました。

ヘッドマウントディスプレイのような装置を使って検索範囲外の映像を実際の場所からモニターするんですが、それを使って「過去の容疑者」を追跡。過去の映像と現在の映像が交錯する状態でのカーアクションは、究極の「独り相撲」状態。あれは最高でした。

そして、タイムトラベル物の定石を守った伏線の数々も随所に散りばめられており、たいへん楽しめました。

『ミッション:8ミニッツ』がどちらかというとそういう方面に行かずに、哲学的な方向性を目指したのとは全く違い、気持ちがいいほど「素直」な方向に突き進む本作も、なにやら清々しい気持ちになる快作でした。

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