男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

レザボア・ドッグス

スペシャル・エディションDVD。

クエンティンのインタビューがとにかく落ち着きのないことこの上ないんですが、まあ本編について。

改めて観るにやっぱり面白くて、合わせて見た音声解説での賛辞が鬱陶しく感じるほど本編の面白さがずば抜けている。

タランティーノは自分で云っている様にセリフが凄く巧い。巧いというか面白い。あんなにナチュラルなようでいてへんてこりんなセリフもない。何度も同じことを繰り返したりして、リアリティを追求すると変になるということを確信犯的にやっている。

ピンクとホワイトがセリフで強盗の失敗のくだりを話す場面が最高で、お互いに深刻な顔をして状況描写をしているのに、ピンクがイチイチ

ホワイト:「ブロンドが突然銃を抜いて…」
ピンク:「そりゃ、違う」
ホワイト:「…どこがだ?」

勿論、ブロンドが銃を撃ったから警官隊が突入したので、待ち伏せていたというピンクの推理に繋がるわけですが、ホワイトが身振り手振りを交えてまで真顔で反論するあたりが笑えるわけです。「パルプ・フィクション」はコレが極まって、まったく無意味にこれが連発するから大笑い。

で、続いてタランティーノは演出も巧いと感心する。

引き絵一発で決める際も、ショットの頭にあまり意味のない移動が入る。こういうのが妙なスタイルを産んでいる。円移動連発の会話シーンも、対象人物の前を過剰に人の背中がナメるのも効果的な印象を残す。

僕が一番好きな「ブロンドが拷問の途中でガソリンを取りに倉庫の外へ行くシーン」が、タランティーノも一番好きだと云っていて嬉しかった。あそこは最高です。音楽が遠ざかり、平和なノイズが支配し、倉庫へ戻るとまだ音楽が続いている。これを1ショットで処理する。素晴らしいです。平和な住宅街の倉庫では残虐な拷問が行われている。

吹き替えのキャストはちょっと「?」な部分も多いが、堀勝之助のホワイトは絶品で、車の中で血みどろのオレンジを励ますシーンは笑えます。

「お前は治ぉぉぉぉ〜る!!」

と暗示をかけるのですが、この

「治ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜る!!」

って笑えるアクセントで絶叫。

これに答えてオレンジ役の安原義人

「…治る」


はははは。