男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ハンコック スペシャル・エディション [Blu-ray]

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自暴自棄なハンコックがいい

無精ひげでホームレス感全開のハンコックが、街中のベンチで子どもに起こされる登場が凄く良かったです。強盗が暴れているから動けよという子どもに毒づかれ、体を起こしても通りすがりの女性のケツを触ろうとして「くず野郎」と罵られる。それでも、仕方なしにドカーンとスーパーマンよろしく空へ舞い上がる。これだけでハンコックがどういうキャラで、世間にどう思われているか一発で分かる。

ただ、ピーター・バーグ監督が折角リアリティの世界に存在するスーパーヒーロという設定を的確に演出しているのに、SFX関係が実にチャチいのが残念。今時それはないだろうというレベルの合成や、CG丸出しの壊れ物などなど、どれも凄く勿体ない。車を持ち上げたりと言うライブイフェクトがやたらとリアルなだけに。

ハンコックが刑務所に入るシークエンスをはじめ、彼の自暴自棄でやる気のない雰囲気が凄く生活感満点に描かれているのは大変面白くて良くできていると思います。ハンコックのトレーラーハウスの美術も大変良くて、記憶を無くして孤独な生活を送っている感じが同情を誘います。ロケーションだけはアイアンマンと同じ風光明媚な海沿いにあるっていうのも笑えますし。

いよいよ必要とされて髭を手で剃り始める(!)ハンコックが、銀行強盗を退治しに現れるクライマックスは、バカにしたようにスーパーマンっぽい音楽が盛り上げてくれます。

ストーリーは意外な展開を見せて、想像とは違うところに着地しますが、あの「決まり事」がちょっと理解しづらかったのは残念。

HDクオリティは最近の映画にしてはちょっと荒いのですが、そういう映像設計なのかもしれません。シャーリーズ・セロンがあんまり綺麗に見えないのもマイナスかも。実物は凄まじい美人なのに。
ドルビーtrueHDはスーパーヒーローものらしく派手で楽しめます。大暴れのクライマックスは竜巻のイフェクトなどなかなかの迫力。スプリンクラーの水が降り注ぐ場面でも生々しい音が楽しめました。