男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

スター・ウォーズについて

明日いよいよ「シスの復讐」の先々行に行って来ます。昼の回を観ます。DLPで観るぞ! と気合を入れていたのですが、どうもデータが間に合わなかったようで、本公開からになるようです。なので、面白かったら、MOVIXさいたまくんだりまで出掛けて観て来ようかと考えています。

とりあえず今回はTHX上映館でのフィルム上映で観ます。スター・ウォーズをTHXで観るってのはやっぱりグっと来ますね。

と言うわけで、いよいよ完結編ということなので、ボクとスター・ウォーズとの関係史をまとめてみようかと思います。


エピソード1

1983年

ジェダイの復讐」が公開されるわけですが、ボクは1981年の「ジョーズ」テレビ放送からの映画デビューなので、当然「新たなる希望」も「帝国の逆襲」も観ていませんでした。そもそも、なんとなく敬遠してたぐらいです。
で、ちょうど映画の雑誌なんぞも読みまくって、頭でっかちな小学生になっていたので、「とりあえず劇場に行ってみよう」とは思い、雑誌の事前特集をなぶるように読みこむ。
「ふーん監督はジョージ・ルーカスやないんや、そもそもあいつはアメリカン・グラフィティスター・ウォーズ以外に何を撮ったんや?」*1
リチャード・マーカンド……誰やこいつ?」
「『帝国の逆襲』でダース・ベイダーがルークに父親だと名乗る!!??」
そうなんです。ボクはこの雑誌の事前特集のネタバレで、この衝撃を体験しているんですね。一作目も二作目も観ていなかったのですが、ダース・ベイダーのビジュアルや名前はさすがに知っていたので、結構驚いたのを覚えています。
そして、予習を完璧にしたボクはすっかり前二作は観た気になったもんですが、不思議なことにここで「観たいなあ」という気持ちにはならなかったのが興味深い。あれはスター・ウォーズが日本では根本的に受け入れられていない現実を考える上で重要な事の様な気がします。

そして、広島の一番館ともいえる宝塚劇場へ。

場内は夏休みにも関わらずガラッガラ。多分ボクの他には3組かそこらしかいなかったんじゃないでしょうかねえ。冷房がやけに寒かった覚えがあります。

スター・ウォーズの日本での空回り方は子供心に強烈に印象に残っています。

そして、本編。

本編の感想はとにかく「うるさい」と言う印象。これはよく考えれば劇場側も頑張ったのではないでしょうか。ドルビーステレオを全面的に導入して、今までの少ししかない劇場映画体験でも度肝を抜かれるような音だったです。あのショックは「ジュラシック・パーク」でのdts初体験の時と同等。

でも映画自体は(当たり前と言えば当たり前なんですが)

「よぉわからんなあ……」

でした。

エンドアのあたりで凄く眠かったのを覚えています。

クライマックスの映画史上最高の宇宙戦でも、ハッキリ言って「何が描写されているのか分からない」状態。子供の頃はコロコロコミックのせいで「映画は一番前で観よう」と刷り込まれていたので、それも原因の一つだったと思います。もうスピードが速すぎるので何が何やらついていけない。(しっかし、勿体無い初体験だ)

そんな感じでボクとスター・ウォーズとの関係ははじまったわけです。

エピソード2/松崎しげるの襲撃

そして、その年の秋。

いよいよ(ある筋では問題の)日本テレビでのテレビ初放送。

この秋は「ロッキー1」*2とか「スーパーマン」が放送されるという大変な雰囲気でした。ボクの人生を変えた「ジョーズ」の放送権が何十億円という凄いことになっていたらしく、この「スター・ウォーズ」も無茶苦茶な金が動いていたようです。なんせ放送前に特番があったりして、キチンと観ましたよ。西城秀樹のルークを。

ある意味で、ボクは旧三部作の時から今のように遡ってシリーズを観ている事になるんですね。あのルークはどうやってあんな事に巻き込まれたのか? オビ・ワン・ケノービという幽霊なのか何なのかは誰なのか? ハン・ソロはどうしてフューチャリングされているのか? ミレニアム・ファルコンは結局誰の船なのか? もろもろ。

それに「新たなる希望」はルーカス自身の監督作品ですから、ボクの中では期待がかなり高まっていました。

そして、タモリ

まずノーカットで放送が売りの一つだったのですが、それでも8時から11時までの3時間枠だったんですね。まあ有名な話ですが、こちとらビデオを録画一時停止にして待っているんですが、待てども待てども本編が始まらない。タモリと来日したC−3POとR2−D2がずっとあれこれやっている。ビデオってのはテープが伸びてしまうので5分ぐらいで一時停止は解除されてしまうんですよ。だからその度にまた一時停止状態にして……1時間近くもずっとハラハラドキドキなんですな。しかも一時停止が解除されるたびに少しずつテープが巻き戻っていく。それをあれこれ微調整しながらなので、その間に本編が始まるんじゃないかと。あれだけ神経を痛めたエアチェックはその後も記憶にない。

まあ、それでも気合と根性で本編は最初から録画成功。でもあれ20世紀フォックスのマークは当然カットされていたので、よく考えたらひどいよなあ。あれも含めてスター・ウォーズだろうに。

そして、やっと本編。

いくら事前に文字情報を詰め込んでも、本編の映像のパワーってのは絶大なんですよ。いくらテレビサイズにトリミングされていたとしても、最初のスター・デストロイヤーの映像は衝撃的でした。ホントに

「うぉぉぉぉ……でかすぎる!!」

とすっかり映画に飲みこれましたから、あの映像の効果は凄すぎます。

しかも、ジョン・ウィリアムズの音楽がいきなりテンション高すぎて。

野沢那智のC−3POが登場するや、すっかり銀河帝国に入り込んでいました。

渡辺徹のルークに感情移入しまくりで、あの大学進学を切り出すあたりの絶妙さ!

「去年もそういったじゃないか……」

で、あの二つの夕陽。グっときましたねえ。

それにしてもあのタッパにはいった飲み物は非常にまずそうなんですが、エピソード2でもやっぱりまずそうだった!

久米明の完璧なオビ・ワンが登場して、気分はすっかり「野生の王国」。

「オビ…ワン…ケノービ……」

シスの復讐」の事を考えると、いつもここのアレック・ギネス初登場のシーンを連想してしまうんです。ああ、オビ・ワンだけが生き残るんだよなあ……と。あの言い方が凄く時間を感じさせていいんですよ。ルーカスもまさか計算してはいなかったでしょうけどね。

そして、松崎しげる登場。ボクの中ではハン・ソロ松崎しげるで、どう考えてもあの一作目のハン・ソロのキャラクターにはバッチリだと思うんですけどね。ジェダイの復讐のどういうわけか正義に目覚めたハン・ソロならあのハリソン・フォードの声でもいいんですが、今でも一作目だけは本人の声でも違和感がある。まあ、最初に観たのがこれなんだからどうしようもないんですが。ははは。

デス・スターに牽引される場面でのジョン・ウィリアムズの異常な音楽の盛り上がりに、興奮しまくっていたのを覚えていて、おしっこがしたくてたまらなかったですね。テレビはCMがあっていいよなあと。おしっこしながら

「どないするんやろ? あそこからどうやって?」

と、前回の予習で話は知っているはずなのに、全然そんなものが吹っ飛んでいたようですね。入り込みすぎ。

ゴミ捨て場のシークエンスで緊張感が頂点に達していたので、オビ・ワンの前にダース・ベイダーが文字通り立ち塞がっている場面では無茶苦茶に興奮して、今となってはおじいさんの動きでとてもジェダイの戦いとしてはアレなんですが、凄い戦いを観ていた気を覚えています。あそこ編集が素晴らしくて、バラバラになった皆がどんどん集まって、キレイにオビ・ワンとダース・ベイダーの戦いの前に現れるんですね。そこでオビ・ワンが悟ったように勝負を捨てる時のアレック・ギネスの表情!! そして、ルークの「ノオオオオオオオオ!!!」ときて、大銃撃戦とジョン・ウィリアムズの音楽。あそこは無茶苦茶だったなあ。その後にCMがあって、そのままなだれ込むようなミレニアム・ファルコン号とタイ・ファイターの追撃戦。あそこのテニスの試合を見ているようなレイアとチューバッカーの首の動きが最高で、敵がどういう風に攻めて来ているのかが一発で分かる。最近のスター・ウォーズはそういうのがおろそかになっている様に感じるんですがねえ。「この動くじゅうたん何とかしてくれない」とまで毒づいていたレイアがチューバッカと思わず抱き合うのも大好きです。

レイア姫が毒舌家ってのも子供心に衝撃的で、「ジェダイの復讐」の時は何とも思わなかったのは字幕のせいもあるのでしょうが、キャラが薄まりすぎですな。一作目のあの毒舌キャラがあるから、ハン・ソロとルークとレイアの3人の掛け合いが面白いんですね。

あと、一作目と「ファントム・メナス」が、他のスター・ウォーズと決定的に違う点は、シークエンスがバラバラになって交錯させて描かれず、ずっと一本の視線でシークエンスが進む所です。これがどれだけ重要かは、長くなるので省きますが、ボクが一作目だけ特別視している事と、「ファントム・メナス」を評価しているのはこの構成だからです。*3

そして、ヤヴィンの戦いでは、例の溝へ突入する主観ショット! あそこでは身体が思わず動き、ビデオで何度観てもあそこで身体が動くのが快感でした。

そして、ルークがいよいよ突入して、オビ・ワンの声を聞くシーン! あそこで音楽が変わるときの鳥肌モノの感動! スター・ウォーズ全編で一番好きなシーンはあそこだと断言できますね。

興奮の絶頂のままフィナーレで、余計な場面が全然ないんですよ。

さすがにエンド・クレジットもノーカットだったので、至福の時間を堪能しました。

すぐビデオ巻き戻して見直したもんなあ、次の日学校なのに(水曜ロードショーなので、次は木曜日なのです。よくまあ平日に放送したもんだよ)。

エピソード3

「帝国の逆襲」は結構長い間観られなくて、ビデオが発売されてレンタルされるまでかなり待ったと思います。そのときはベータのデッキも買っていたので、いよいよ借りたときはダビングしたもんです。

「帝国の逆襲」には一つ想い出があって、ボクは映画音楽を集めたレコードを一枚だけ子供のとき大枚をはたいて買ったのですが、ここにはいっていたのがご存知「帝国のマーチ」。スター・ウォーズのテーマといえばボクの中ではこれで、あのメイン・テーマは当然知っていたのですが、これのかっこよさは桁違いで、一作目の放送のときには、唯一つこのテーマが流れなかったことが不満でした。「ジェダイの復讐」では結構かかっていたので、嬉しかったのですが。なので、「帝国の逆襲」はこのテーマが思う存分かかるんですねえ。それも無茶苦茶使い方がカッコイイ!!

本編は先に書いたつぎはぎ構成のために感情移入はしずらく、「ジェダイの復讐」に続いて、そんなに面白いとは感じませんでした。

ただ、小惑星帯でのチェイスや、クライマックスのルーク対ベイダーは燃えまくりでした。
今では非常に評価している「帝国の逆襲」ですが、そういう評価の部分は後でどんどん気づいている部分ですので、一般的には「帝国の逆襲」の評価が低いのは非常に納得できるのです。暗いですからねえ。

(そして10年以上の月日が流れる……)

*1:ボクは「アメリカン・グラフィティ」はテレビ放送で観ていて大好きだったのです。そういう意味では順番に観ている正統派。でも、THX-1138は名前も知りませんでしたが。

*2:月曜ロードショーではあえて「1」。予告編では「ろっきーいち」と発音します。「人生するかしないかの分かれ道でする!というほうを選んだ勇気ある人々の物語」

*3:ロード・オブ・ザ・リング」も同じ理由で一作目だけは特別視しています。