男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

シネスイチ板橋プログラム23『バトルシップ』★★★

ちゃんとバトルシップだった!

ピーター・バーグ監督は『キングダム』『ハンコック』と結構嫌いじゃない監督です。今作は映画館で観ようかどうか迷っている内に行きそびれてしまったので、密かにブルーレイ発売を心待ちにしていました。

昼間からホームシアターでの上映なので遠慮なく超大音量で再生。これが大正解で全編途切れなく洋上バトルが大盛り上がり。この常にテンションが上がっている状態は何なんだろうと思ったら、音楽が『トランスフォーマー』のジャブロスキーだったからでした。特に印象に残るメロディなどは無いんですが、とにかくずっとリズムを刻んでいる音楽はテンションが上ります。

Battleship
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Battleship (Original Motion Picture Soundtrack) (バトルシップ) - Steve Jablonsky
Battleship (Original Motion Picture Soundtrack) (バトルシップ) - Steve Jablonsky

トランスフォーマー』の時はスコア盤の発売が随分後になって苦々しかったですが、今回はこちらのスコア盤のみの発売。実に燃える。


主人公の男どっかで観たなと思ったら、なんの事はない最近観たばかりの『ジョン・カーター』でジョン・カーターを演じていたテイラー・キッチュでした。序盤の長髪がまさにそれでしたね。すぐに短髪の軍人フェイスになるのですが。

この映画は『バトルシップ』というゲームが元になっているという事ですが、僕も子供の頃遊んだ記憶があります。映画自体はエイリアンが襲ってくるんですが、ちゃんと夜間戦闘のシークエンスで浅野忠信津波ブイを使った擬似レーダーのようなシチュエーションを用いて、ゲームにオマージュを捧げています。

この映画の何が気に入ったって、ほとんど全くといっていいほど説明をしないんですよね。エイリアンが自分たちの星へ通信をするために通信衛星とコンタクトととろうとするくだりには幾つか挿入されるのですが、洋上バトルの方にいたってはとにかく全編、ただただ戦闘描写を積み重ねていくんですね。これはテンション上がります。
舞台がハワイを中心に行われる日米共同のリムパックってあたりからして面白いんですが、海上自衛隊の艦長として登場する浅野忠信が大変な儲け役。日本語のセリフもナチュラルに使われていましたし、役どころも準主役という破格の扱い。

そして一番燃えるのはクライマックス。

主人公の乗る駆逐艦がまさかの大破沈没。いったいどうするんだ? と思っていたら、まさかのミズーリ号出撃!! 序盤のセレモニーで登場していた退役軍人のおじいさんたちが無言で艦橋にそろい踏みしているのには血液が沸騰しましたよ。こういう展開は個人的にかなり熱い! そもそも戦艦の出る幕なんか無くなっている近代の海軍なのに、タイトルにわざわざバトルシップって銘打っているぐらいだから予想してしかるべきだったのですが、実際にミズーリ号が出撃準備し始めてからのテンションは異常。まさか駆逐艦たちが噛ませ犬だったとは予想外すぎ。しかも、重い砲弾をみんなで一生懸命担いで運んだり。かなりの凄まじさ。

しかも、お約束の騎兵隊到着とばかりに現れる増援部隊のタイミングとか、エイリアンが相手だからって好き放題やり放題。でも、それがいいんです。


侵略してくるエイリアンたちの描き方も結構ユニークで面白かった。実はコンタクトをとったのは人類の方だし、襲ってくるエイリアンたちが案外フェアなんですよ。センサーみたいなものをすべての兵士や兵器が備えてきて、敵性対象以外は攻撃しないんです。なので攻撃しようとすると反撃する。こういった描写があることで、あのエイリアンたちもキチンと先行部隊であることが分かり、職業軍人同士の戦いが成立している。ゲームの映画化という意味では意外にまっとうな作りだったんではないでしょうか。


そういえば、主人公の兄貴役のアレクサンダー・スカルスガルドって例のステラン・スカルスガルドの息子さんなんですね。なんでスウェーデンの人がアメリカ海軍でってあたりがハリウッドって感じなんでしょうか。そういう意味では日本人の役でキチンと自衛官として戦っていた浅野忠信はやはり扱いが良かったと思う。「You did」以外にもたっぷりセリフあったし。