男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

スターウォーズ・エピソードⅢシスの復讐★★★★

異様なほど前評判が高かった訳ですが、映画の2/3ぐらいまでは「まあ、こんなもんだよね」と言う感じで観ていました。それでも「エピソード2」に比べればとんでもなく面白くなっていて、あれは一体なんだったんだろう?と言う底上げもあって、かなり面白く観ていました。

ところが!!


<以下ネタバレ含みます>


いよいよアナキンがパルパティーン=シディアスに惑わされてダークサイドに堕ちるあたりから、俄然緊張感と哀しみがドッと押し寄せてきて、かなり今まで味わったことのない感覚で最後まで観ていました。何十年も前から話だけは知っていたアナキンの悲劇と、オビ=ワンとの闘いがいよいよ目前に迫ってきていると言う感じ。

アナキンが表だけ繕って、オビ=ワンのご機嫌をとるシーンで、オビ=ワンが本気でアナキンに慈愛に満ちた眼差しを送るあたりから胸が締め付けられるような気持ちでいっぱいに。
アナキンがダース・ヴェイダーと化してから、ジェダイ大虐殺を描くくだりではかなり没入していて、早くオビ=ワンとアナキンの戦いが観たいと言う気持ちと、出来るなら闘わないでいて欲しい珍しくおセンチな気持ちでたまらない感じ。
それでも、いよいよ遂に決定的な瞬間が訪れて、アナキンが支離滅裂な言動を始め、オビ=ワンがジェダイと化し、アナキンはダース・ヴェイダーとなった決戦が始まると、もう興奮と感傷が一気に湧き上がっての異様な感動が押し寄せてきました。
しかも、あの度肝抜く芋虫アナキンまで見せられ、オビ=ワンが一作目でルークに語った言葉や、ダース・ヴェイダーとの再戦が走馬灯のように頭をよぎるのです。今から起こることなのに!
様々なワイプを駆使してのエピローグは、淡々と言う感じで顛末とエピソード4への橋渡しを描くのですが、この淡々さがえらく心にしみて、最後の二つの夕陽のショットでは熱いものがグググっとこみ上げてくるのでした。

とても一本の映画としてあれこれ感想を考えるのは難しいのですが、クライマックスのオビ=ワン対アナキンの戦いは飛びぬけて盛り上がりました。ライト・セーバーという発光する武器の効果を最大限に利用したシルエットと反射光の生み出すリズムが物凄く、途中でヨーダ対シディアス戦が絡んでくる構成は相変わらず緊張感が中断気味になるのですが、あちらもあちらで凄い終末感が漂っていて良し。ライト・セーバーの立ち廻りとしても、その動きのリズムは他のライト・セーバー戦とは一線を画する凄まじさで、終始異常なテンションが持続する強烈さでした。特にジェダイ得意の目くらましというべき(殆ど意味不明ともいいますが)、ヌンチャク然とセーバーを身体の周りでグルグル振り回すアレを師弟らしく同じ型で超高速&超接近状態でやりあうあたりはアドレナリン沸騰モノでした。ベン・バートの音響効果も負けてたまるかと壮絶なテンポでグワングワンと最高。背景の溶岩も師弟の殺し合いと言う雰囲気をバッチリと後押しして効果抜群。
勝負の決着は分かっているにも関わらず、あの芋虫状態で搾り出されるアナキンの

「I hate you!!!」

がいつまでも耳に残って離れませんでした。


パドメのためにダークサイドに堕ちたのに、結局運命は変えられなかったアナキンがダース・ヴェイダーとして改造される場面もかなりショッキングで、仮面ライダーのオープニングがトラウマになっている身としては、可哀想可哀想でたまりませんでした。あのマスクからの見た目が一瞬見えるあたりで、「ジェダイの復讐」の時に「自分の目でひと目お前を見たい」と願うあたりも思い出してまたグっときます。

建造中のデス・スターを皇帝と眺めるダース・ヴェイダーのショットも旧三部作へと続く余韻が半端じゃなくて、すぐに続きが観たくなりましたよ。

ファントム・メナス」や「クローンの攻撃」では意図的に旧三部作をなぞった作りになっていた新三部作ですが、この「シスの復讐」だけは初めて旧三部作からの呪縛を逃れた作りになっているのも新鮮でした。まあ、ラストのシーンの構成は「ジェダイの復讐」の特別版で付け加えられたハッピーエンドの畳み掛けの裏返しともとれますが、これだけ全てが悲劇的な雰囲気で終わる映画(しかもハリウッド超大作)は本当に珍しいので、これが成立するだけでも新三部作の存在意義があったのじゃないでしょうか。

まだまだ感想がまとまらないのですが、これで終わりだと言う感慨はかなりあり、大満足でした!