男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ランボー怒りの脱出

あれから3年経って、僕は中学二年生。もう、中学生イズム極まる多感な時期にこの映画が上映されちゃった訳で。

その年はお正月早々「ターミネーター」が公開されてアクション映画の歴史が変わり始めた年。

そして、この映画にもそいつ、ジェームズ・キャメロンが関わっている。「ターミネーター」の脚本が業界で話題になり、この映画と「エイリアン2」を書いたのはいいけど実現せぬまま結局「ターミネーター」が先に出来て大当たりっていう流れ。

僕はちなみに「殺人魚フライングキラー」のファンでもあったので、キャメロンは当時からよく知っていた。

この映画の脚本にキャメロンの名前を見つけた僕は、ただでさえ「ランボー」が大好きだったもんだから観る前から燃えに燃えて、指折り数えて公開を待ちのぞんだ

そしていよいよ僕の眼前に現れたこの映画は、空前絶後の燃え世界を形成しまくっていた。

だって、開始早々(フィルムの5コマ目から)発破っすよ。いきなり大爆発。テンションが普通の映画とは全然違ってて、「カサンドラ・クロス」ではゴールドスミスに助けられっぱなしだったジョルジ・パン・コスマトス監督一世一代の仕事が幕を開ける。(ま、この映画もゴールドスミスの音楽がなければどうなっていたかは分かりませんが)

プロローグで、笑っちゃうぐらいあっという間に現場復帰を決心したランボーが一言

「今度は勝てますか?」

「君次第だ」

こっからゴールドスミスの音楽がかかって、バァアアアアンと暗転してからのタイトルシークエンスはヤバ過ぎます。実際タイトルが燃えてるし。とにかくゴールドスミスの音楽が熱すぎて、多分ゴールドスミスのPVなんですよコレ。感覚としては。

キャメロンの書いたセリフがどれくらい活かされているのかは分かりませんが、全体的にセリフのやりとりも熱いです。

指令所でのトラウトマン大佐とネクタイ将軍チャールズ・ネピアー(好演過ぎ)の口げんかと、現地でのランボーの死に物狂いの戦いが交錯する構成は、マーク・ゴールドブラッド(ゴールドがつくやつは凄いという方程式)の見事すぎる編集と相まってやたらと燃える。

具体的にはトラウトマン大佐のランボー賛歌。

「後悔する事になるぞ」

「何にだね?」

(溜めて…)「ランボォ〜…」

ここで抜群のタイミングで現地のランボーに場面が移るっていうパターンね。


白眉はやっぱり仲間の女コー・バオが殺されてから場面が指令所に移り、ネピアーがふってぶてしく

「彼は故郷(地獄)へ戻ったのさ」

というやいなや、

ランボーナイフが鞘にズサ! 鉢巻き(コーバオの服で作ったモノ!)を雨の中でギュー! コーバオの遺品のお守りを首に巻く(ピッチピチ)!のモンタージュにつなぐ切れ味。(勿論ゴールドスミスの音楽が異常な燃え方)

ここにこの映画は極まるわけですが、その後も延々どうかしてるんじゃないかと思うほどテンションが高いんですねえ。

弓矢っていう武器の選択や、相棒が女だったり、船での異常に危機の続くあたりは実にキャメロン風味が効いていると思います。

ヘリが太陽を背にして現れたりのハッタリかましまくりの演出も二重丸で、ランボーが機銃掃射の時に感極まって雄たけびを上げるや、待ってましたとばかりにゴールドスミスの音楽がジャン!ジャン!ジャジャジャジャン!!とかかり始めるのも凄まじいです。燃え方が。

この作品はランボーの戦う動機がタイトル通り「怒り」に根ざしてますからね、燃え方の質が実に高いんですよ。ハイオクって感じです。前作がディーゼルなら。98分しかないのに実に燃費のいい燃え方してます。

まあ、イチイチ説明してたら切がないほど全編ゲル化剤状態でゴウゴウ燃えてる映画なんですな。