男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

初恋のきた道★★★

「英雄」があまりにも素晴らしかったので、チャン・イーモウの作品を観ようと思い立ち、先ずはコレ。

DVDレンタル。

日本語音声も5.1chでスクイーズシネスコサイズ。この手の映画にしては珍しくちゃんとした仕様だ。日本でも当たったからなのか。

折角なので吹き替え5.1chで見る。

中国圏の人たちはチャン・ツィイーをはじめ微妙に日本人とは違う顔つきなのだが、やはり同じ黄色人種なので日本語音声でもあまり違和感なし。

作品は小粒だが凄く好きな映画だ。

撮影監督が違っても独特の色彩設定はイーモウ自身の狙いである事が分かり、舞台の村の四季や雰囲気を美しく捉えている。
ロングの思い切った引きかたも劇場での鑑賞を前提としていて見事だ。

前後に白黒で現在の描写が入り、過去の「母と父の恋愛」部分はカラーと言う構成で、過去の思い出が見た目にハッキリと美化されている狙い。

白黒パートの寒々しい現在の描写もなかなか良くて、前後合わせて意外に過去のパートと当分の割合だ。なので、過去のパートは案外短く感じる。

上映時間自体も89分と言う短さなので、過去のパートは余計に短い感じだ。

ただ、もうチャン・ツィイーの仕草が素晴らしくて、一部で「ストーカーじゃないか」などと言われたりするのが腹が立つほどだ。もこもこの服装も実に生活感があり素晴らしい。好きになった「先生」が生徒を家に送るところを何日も「張って」、やっと思い切って通り過ぎる時、先生が挨拶をしてくれるんだが、その際のドギマギしてギクシャクして歩く後姿は共感させる。

しっかし、つくづくこの監督が「英雄」を撮っちゃうあたりに、日本で言う黒澤明的な「引き出しの多さ」を感じさせるなあ。