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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『ニューイヤーズ・イブ』★★★

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ニューヨークの大晦日に行きたい!

去年の年末に映画館で予告を観た時から「予告で全部分かる映画だな」とバカにしていたのですが、BSで放送していたのを一応録画してみました。最近ロマコメをよく観るので、これもそのいっかんのように軽い気持ちで観始めたのですが、大好きなニューヨークで、しかも一度は行ってみたい大晦日の一大イベントをメインにした一日のお話となると個人的なツボを思い切りついてくれます。ゲイリー・マーシャルの演出は奇を衒うこともなくスタンダード。悪く言えば面白みのないものなのですが、「ニューヨークの大晦日」という一大イベントを描くという意味では過不足なくかえって気に触らない演出だったと思います。もうちょっと寒さを感じさせる演出が多いとよりクオリティが上がったとは思いますが。

たくさんの登場人物が織りなすアンサンブル・ドラマの形態をとっており、それぞれのキャラクターが様々なシチュエーションでストーリーを紡いでいくのですが、それもイベントを俯瞰的に描写するための名目のような扱いで、正直それほど面白みのあるドラマでもありません。ただ、ニューイヤー・ベイビーの賞金をかけて競い合う妊婦カップル二人組の顛末は微笑ましいし、会社を辞めたキャリア・ウーマンのミッシェル・ファイファーが若いメッセンジャーボーイのザック・エフロンと「年始の誓い」をすべて叶えようと奔走するエピソードはベタだけど観光気分が味わえて楽しい。結婚式の帰りでタキシード姿のまま右往左往するジョシュ・デアメルのキャラもキャンピングカーでニューヨークに向かうことになる状況が外部の視点を導入させていて映画に広がりをもたせている。予告を観た段階から見え見えの感があった、末期がん患者のロバート・デ・ニーロのエピソードは、看護婦のハル・ベリーやデ・ニーロの好演もあって、温かい気持ちにさせてくれる。

抱きたいカンケイ』のアシュトン・カッチャーも登場し、祝い事の嫌いなコミック・イラストレーターを似合わない髭面で演じていますが、これもベタだけど悪くない。

そう、この映画はどのエピソードも大笑いしたり大感動したりするものではないんですが、どれもこれも定番とも言えるベタベタな展開をみせてくれて、こういうジャンルとしては一番大事な「安定感」をキチンと生み出しているのです。一年に一度必ず訪れるイベントである「大晦日」自体が、実際には特別に何かがあるわけでもないのに、何となく開放感やお祭り気分が味わえるという意味でも、題名に負けない「オーソドックス」な映画としてうまく出来ていると思います。

それにしても、ニューヨークの大晦日は『恋人たちの予感』でもクライマックスで登場するんですが、やたらと楽しそうなんですよねえ。一度は体験したいものだと思っていたので、それを疑似体験させてくれるだけでも、この映画は価値があるんではないでしょうか。


追記:

それにしても今年はアビゲイル・ブレスリンの映画ばかり観ているような印象ですが、この映画ではすっかり大きくなっていて、「もう15なのよ!」と強がってみせる姿に、「まだ、15なのかよ!?」と驚きを隠せない。この間観た『幸せのレシピ』では子どもだったのに……

大きくなってまあ。

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こちらも観てみようかな。