『ラブソングができるまで』★★★1/2
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ヒュー・グラントが凄過ぎる
マーク・ローレンス監督の二作目。
定期的に何度も観返してしまうロマンチック・コメディの傑作。ワンポイントの面白さを膨らませるのがマーク・ローレンス脚本の面白さなんですが、この作品は何と言っても、ヒュー・グラントが「懐古ブームで食いつないでいる80年代の売れっ子ポップスグループのひとり」っていう設定ですね。これがもう最高。
オープニングのダサすぎる80年代風MTV一発で大爆笑まちがいなし。ヒュー・グラントもノリノリの若作りで何の違和感もなく演じているのが凄い。しかし、全編「あったなあ!」と当時を知っている人間にはこたえられない演出が続出するMTV。途中の下手なドラマ部分なんて苦笑過ぎる。グニャグニャ処理で夢とか、その場足踏みの合成とか、ビデオ処理丸出しの擬似スローとか、イチイチ面白い。
一番いいのがヒュー・グラント演じるアレックス・フレッチャーが全然後ろ向きな生き方をしていないところですね。極めてニュートラルで、常にユーモアを忘れないイギリス人スピリッツが過剰に発揮されていて素晴らしい。どんな状況でもどんな皮肉にも余裕でウィットの利いた返答をするアレックス=ヒュー・グラントが素敵です。
もう本人のアドリブなのかシナリオ通りなのかという境界があやふやになりそうな絶妙なセリフが素晴らしくて、アレックスのセリフは全編ほぼそんな調子で連発されます。動きや仕草も申し分なく。時には洗練されていて、時にはコミカル。ほんとヒュー・グラントには癒されますねえ。
相手役のドリュー・バリモアとの相性も抜群で、まさにロマンチック・コメディの王道という感じです。
あと、アレックスに新曲を依頼する売れっ子アイドル歌手コーラの設定も絶妙に「狂って」て面白い。やたらと仏教に傾倒しているんだけど、当然ズレていて。「シャンティ」というサンスクリット語(?)を連呼する歌とか、なんだそりゃ? の連続。
ワーナーミュージック・ジャパン (2007-04-25)
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サントラも最高!
そういえば、今回iPhoneに入れるためにDVDを借りたんですけど、なんと歌の部分に字幕が無いんですよ。作詞の話なのに、肝心要の部分に字幕がないなんて考えられない。ブルーレイでは普通にあったと思うので、購入するなら迷わずブルーレイで。