男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『L.A.コンフィデンシャル』★★★★


何度観ても”描き方”が見事

急に観たくなったので。

劇場で一緒に観た奥さんもかなりお気に入りの一作。同年に公開された化物映画『タイタニック』のせいでアカデミー賞の主要部門では無冠になってしまいましたが、間違いなくアカデミー賞を受賞してもおかしくなかった傑作。

カーティス・ハンソン監督はこれ以前も以降も堅実に職人監督の道を進んでいますが、やはりこの作品は飛び抜けた輝きを放っています。

それぞれ全くタイプの違う男たち三人が、それぞれの中に宿る『正義』を原動力にして、徐々に絡み合い動き始めるストーリーをノアールタッチで描きだす。ジェリー・ゴールドスミスの音楽がいつものように着実に象徴しているように、時に激情的なタッチを交える緩急の付け方が見事。

特にガイ・ピアースが絶品の芝居をみせつけるエド。彼が取調室で巧妙に相手を自白に追い詰めるパートなどは目をみはるほど燃える。ダンテ・スピノッティのカメラワークも毎度ながら硬質なルックの中にも絶妙のクレーン・ワークを展開させる。

もともと脚本家だったハンソン監督はここでも共同脚本を執筆し、ストーリーの構造上で「燃え」を展開させてくれます。