男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

シネスイチ板橋プログラム25『リトル・ミス・サンシャイン』★★★


あくまでも偶然なんですが、アビゲイル・ブレスリンの映画を続けて観ました。アカデミー助演女優賞にもノミネートされた本作。小太りで大きなメガネをかけた姿は演技を超えたキュートさで観客を引き付ける。


たいていの役は見事にハマってしまう芸達者なグレッグ・キニアは大のお気に入り。今回も「9段階の勝ち組理論」とかいう胡散臭い自己啓発セミナープログラムを売りだそうと躍起になっている負け組人間をドハマリで演じています。

彼を家長とする一家のロードムービーなんですが、これが何とも味があって楽しいんですね。脚本のマイケル・アーントはこれが処女作で、次が『トイ・ストーリー3』という常軌を逸したフィルモグラフィです。


映画のビジュアルイメージとして象徴的に使われている黄色いフォルクスワーゲンのバン。このバンの調子がすべて家族関係に直結しているのが見事に面白いし、それでも頑張ってこのバンで走り続ける一家が泣ける。


題材からしビスタサイズだと勝手に思い込んでいたのですが、シネスコ撮影であるばかりか、絵作りがバリバリにシネスコしていて嬉しい悲鳴。


すべてを平等に美しくしてしまうカリフォルニアの青空が素敵であり皮肉。


なかなか心に残る佳作です。