ブルーレイ『サイコ』を観ました

サイコ　【ブルーレイ＆DVDセット 2500円】 [Blu-ray]


ジェネオン・ユニバーサル 2010-10-22
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極上のレストア

評判のいい『50周年記念版サイコ』のブルーレイ版を観ました。

評判通り、異様なまでにハイクオリティなレストアが施されていて、『羅生門 デジタル完全版 [Blu-ray]』を観たときと同じような衝撃を受けました。日本よりもフィルムの管理がしっかりしているハリウッドとはいえ、ここまで美しくなっていると、他の映画も全部やって欲しくなります。

また、特典にも収録されているのですが、新しい5.1ch化システムが大変素晴らしい。個人的に今までの5.1chリニューアルは、あまり好きではありませんでした（監督が関わると特に）。オリジナルが大好きな人間にしてみたら、余計な音を足しすぎていたり、肝心の音がオミットされていたりという風に。もちろんオリジナルの音声が同時に収録されているならまだ分かるのですが、収録されないことも多いのです。その点今回の『サイコ』で使用された5.1ch化システムは、「オリジナルのサウンド・トラックに収録されている音しか使わない」というポリシーでサラウンド化を図っているのです。特典でも詳細に解説されているのですが、オリジナルのモノラル音声に収録された音を細かく分けてそれぞれのチャンネルに振り分けてサラウンド化されています。そのおかげでオリジナルの印象を崩さずに、かなり明確に5.1ch化されています。5.1ch化されていても、「どこが変わったの？」というリニューアルも多い中で、ここまでハッキリと施されているのはすごい。もちろん映像部分のレストアが驚異的なこともあって、音が「浮かない」ということも重要ですが。

作品自体は言うまでもなく素晴らしく、やっぱり最初に観たヒッチコックの映画というのも含めて、「好きなシーンはどこにしようかとか考えて観ていたら、全部としかいいようがない」ぐらい好きです。

『ジョーズ』で映画に目覚めただけに、「前半と後半で別の映画になってしまう」タイプの映画に弱いのですが、この映画も前半の引っ張りが全部ひっくり返されるのが素晴らしい。小学6年生の時にTBSノーカット10週で観たのが最初なのですが、本当に驚きましたもん。惜しむらくは、ボクの最初に観た「骸骨のディゾルブの無い、スタンダードサイズ」のバージョンも収録して欲しかったなあ。

こんな極上なクオリティの『サイコ』がいきなり廉価版で発売されるのは勿体無いような気がしつつも、やっぱり手軽に入手できるのは素晴らしいと思いました。