『エイリアン２』★★★★

エイリアン・アンソロジー：ブルーレイBOX [Blu-ray]


20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2010-11-17
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全く別物の高画質

ボクの人生を変えた映画が二本あります。普通は一本ですが、ボクには二本あります。

一本目は『ジョーズ』。この映画を劇場で９回観たという父に、１９８１年９月３０日、水曜ロードショーで放送されたときに無理やり観せられました。

そして、もう一本は１９８６年８月３０日（土曜日）中学生最後の夏休み、最後の土曜日に先行オールナイトに観に行った映画。そう、『エイリアン２』です。

ボクはこの映画をロードショーで９回。リバイバルで３回観ています。意識はしていなかったのですが、父と同じぐらい観ていることになります。その頃、父はもう家を出てボクの前からはいなくなっていましたが、もしかしたら父もこの映画を９回ぐらい観ていたのかもしれません。

購入したソフトは

米国版ベータ、日本版LD、米国版スペシャルコレクターズLD-BOX、国内版スペシャルコレクターズLD-BOX、DVD、アルティメット・コレクション……

ボクと同じぐらいこの映画を大好きな人間はたくさんいますし、ボク以上にこの映画を愛している人間はもっといるでしょう。

そして、その全員が、「このブルーレイは今までで最も高画質の『エイリアン２』だ」と断言するでしょう。

ジェームズ・キャメロン自身が監修した今回のブルーレイは、今までソフト化されたどの商品よりも、ケタ違いの高画質になっています。

どのカットも、どのサウンドイフェクトも、どの音楽も記憶していますが、どのパートも極上のクオリティを誇っています。正直衝撃を受けました。

必見です。

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本編は、タイトルが最後に迫り出してこないバージョンで、スペシャルコレクターズLD-BOXでは修正されたいたのに、DVDでは何故かもとに戻っていた、パルスライフルと火炎放射器を取り出すカットのミスも修正されたバージョンです。そういう意味でも今回のバージョンは正真正銘の完全版と言えるでしょう。

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ジェームズ・ホーナーが最初に録音したバージョンのサントラも本編に合わせて収録されており、そちらも独自に視聴できます。ただ、刷り込みを差し引いても、やはりキャメロンの判断で編集された完成版のサントラのほうが燃え方が段違いです。ホーナーのバージョンでは音が多すぎる。キャメロンが求めていたのは、スラコ号内で兵士たちが出撃準備をするシーンをドラム・マーチのみにしたように、「戦闘」的な音楽だったと思います。それこそ「今度は戦争だ」なんですからね。

ただ、当時サントラも飽きるほど聴いてきた人間には、「ああ、あの音楽ってこんなところで使うつもりだったのか」という新鮮な発見はあります。『ダイ・ハード』のラストに流用された音楽も、ちゃんとマッチしていて驚きます。まあ、パウエルがチラついて仕方ありませんけどね。

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もう２４年も前の映画になってしまいましたが、キャメロンの最高傑作というだけでなく、シナリオも演出も映像も編集も音楽も、すべてが「燃え」という効果に死力を尽くしている傑作です。どの場面の「燃え」も、上っ面の盛り上がりではなく、観客のエモーションに訴えかけてくる素晴らしい「燃え」ばかり。これぞ正真正銘の「燃え映画」でしょう。

傑作。