『ゾンビ』ディレクターズ・カット版&ダリオ・アルジェント監修版がWOWOWで放送されました。
やっぱりアメリカ劇場公開版がいいね
WOWOWが『ゾンビ』のディレクターズ・カット版とダリオ・アルジェント監修版を連続放送。しかもハイビジョン!
ディレクターズ・カット版は全体的にぼんやりした映像ですが、DVDでは見過ごしがちなディティールが認識できるというのは大きい。ダリオ・アルジェント監修版はDVDに比べて非常に高画質。ハイビジョン感が十分味わえるクオリティでした。
80年代ホラー映画ブーム(ホラービデオブームと言い換えてもいい)のど真ん中にいた人間にとっては、『ゾンビ』=CICの発売した米国劇場版が刷り込まれているわけです。もちろん長尺版や日本公開版(ダリオ・アルジェント監修版)への興味はそれに比例して強く、東京ファンタスティック映画祭でこの二本がオールナイトで上映されたときは心底嬉しかったもんです。
今やどのバージョンも普通に観ることができる状況であり、これはファンにとっては大変嬉しいことです。が、現在のファンたちは一体どのバージョンから観ることになるのでしょうか?
先に書いたように、ボクは米国劇場版を最初に観ているので、それがベストであることに疑いの余地はないのですが、この映画をジョージ・A・ロメロ監督の作品であり、なおかつ『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の続編と考えると、どう考えても『米国劇場版』がマスターピースだと思えてなりません。
ロメロも実際に言っているように、ディレクターズ・カット版はその名に反してロメロの意向が反映されているとは言いがたいバージョンですし、実際本編を観れば「編集途中」のラフバージョンに過ぎないのは明白。『米国劇場版』は研磨を重ねて音楽に関しても要所要所ではゴブリンの音楽も効果的に使われている完成版だと思います。
ダリオ・アルジェント監修版はもう好みの問題でしかないのですが、これも今観ると不必要にゴブリンの音楽が垂れ流されているような印象ですし、ロメロの本来意図している演出ではないだけに、映像との乖離が激しく感じられます。空回しているとでも言いますか。
したがって、これから『ゾンビ』を観ようと思っている子どもたちには、ぜひとも『米国劇場版』を推奨します。ははは。
売り上げランキング: 9901
Dawn of the Dead [Blu-ray]
Starz / Anchor Bay 2007-10-02
Sales Rank : 11420
See details at Amazon by G-Tools
アメリカで発売されているブルーレイは本当に高画質でオススメです。これを観てしまうと今回のハイビジョン放送もまだまだと思えます。
でもやっぱり一番のオススメは上下のマスクがないスタンダードサイズのVHS版かなあ。思い入れも激しいし。