男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

83年のテレパルより「ホームビデオ大カタログ!!」


昨日に引き続き、小学校の時の切り抜きをキャプチャーして当時を懐かしんでみたいと思います。今回は「ホームビデオ大カタログ!!」と言うことで83年春の新機種から始まる当時のビデオの紹介記事です。

この時のトピックはもちろんコレ


そう、SONYとナショナル(現パナソニック)のベータ&VHS両陣営のHi-Fi(ハイファイ)機種第一弾!


まずドカーンとSONYの初代ハイファイ機『SL-HF77』。

ボタン部分のフラットなデザインが実にSONY。また、ハイファイ機らしくレコーディング・レベルの調整バーやヘッドホン端子を備えているのがカッコイイ。蓋を開けるとボタン部分のギミックが斜めに設置されているのもとにかくナイス。まあ、このギミックはすぐに廃れましたけど。左下部にあるカメラ端子もすごい。


背面写真を見る限り、端子類は極めてシンプル。当時はコンポジット接続すらテレビにはほとんど備わっていない時代ですが、SONYトリニトロンシリーズのモニター(チューナーがついていない)も販売していたので、ちゃんとあるんですね。

そして、ハイファイデッキの特徴である高音質を活かして、オーディオデッキとして利用しようという。なんせあの幅のテープですから、カセットテープよりもかなりの高音質で録音できるんですよね。しかも長時間。3倍モードやβⅢなどの長時間録画でも音質はほとんど変わらないという触れ込みでしたね。まあ、実際にはカセットコンポの利便性にはとてもかないませんでしたから、オーディオデッキとして使うってことは個人的にはありませんでしたけど。
この2年後に購入したハイバンドベータ初号機でハイファイ音声の良さに度肝をぬかれるのはもうちょっと先の話。


続いてはナショナルのハイファイ初号機『マックロードNV-800』。小学校6年生になりたてのボクはとにかく、この機種が欲しかった。暇さえあれば電気屋さんでもらってきたカタログを眺め、実寸でダンボールのモックアップを自分で作ったりして入れ込んでいました。ただ……



289800円は小学生がねだるには高すぎた。


それでも近づく発売日まで何度となく母親に交渉したもんです。


どうしてVHSを購入したかったか。この頃はもう離婚していなくなっていた父親が、何年か前にVHS(多分マックロードだと思う)を購入しており、そのテープだけが10本ばかり置き土産のように家に残っていたからです。今度スキャンしますけど、ビデオテープは当時一本3000円近くしたので(打ち間違えじゃないですよ)、この10本のテープを活用しない手はない。ベータのカッコよさにしびれつつも、実利を取ったわけですね。それに映画を録画することしか念頭になかったので、最初から3倍モードで一本に3本映画を録画できることのメリットは大きかったんですよ。まさにVHS陣営の目論見通りだったワケです。(と言っても2台目はベータを購入するんですけどね)


次のページではビデオの利便性を紹介しています。

やっぱり当時一番の売りは「裏番組録画」ですね。これ今だと勘違いされそうですけど、HDDレコーダーのように2番組録画とかのことじゃないですよ。要するにビデオで録画しながら、テレビのチャンネルを切り替えてそっちはリアルタイムで見ようって事です。まあ、これはビデオの一番の利便性として現代まで生き続けているから常識でしょうかね。

CMカットについても書かれていますが、当時ビデオを2台持つのはまだ夢の時代だったので、録画したものを編集することはできません。それにダビングするとアナログなので劣化してしまう。なので、CMカットはリアルタイムで観ながら行う。常に真剣勝負。CMになったら一時停止して、CMが終わる一瞬前に解除する(機械によってタイムラグが発生するため)。恐ろしいほど研ぎ澄まされた感覚によって、1フレームも逃さず余さず当時はカット出来ていました。それでよく映画を楽しめていたなと思うんですが、まあ子供だから問題ないんでしょう。




というわけで、当時の各社のデッキが紹介されています。どれもこれも各社の特徴がよく出たデザインで、大変懐かしい。

このころはまだサンヨーと東芝がベータ陣営だった頃ですね。あと、NECもベータなんですが、よく考えたらNECがビデオデッキを発売していたってのも不思議な感じがします。ボクはどっちかというと薄型とかよりも、ごっついタイプが好きだったので、NECの機種は好みだったように思います。

で、結局ボクが買ってもらった機種は


日立の『VT-12』。さっきのマックロードからえっらいグレードダウンです。しかも、バリバリのエントリーモデルで、ボタンを大きく配置した家庭用丸出しのデザイン。フロントローディングですらなく、上部に開くタイプ(電気式ではなくボタンでバネを解除する文字通りの手動式)。

延々と続く交渉も大詰めを迎えて、ボクの中でとにかく早くデッキが欲しかった事と(だって、買うのが後になればなるほど放送される映画を録り逃していくわけですから)、女で一つで三人の子供を養っている母親に対して、あまりにも経済的観念の欠けた要求をしすぎた大人気なさを反省し(子供でしたが)、ボクの方から折れたんです。(すっごい偉そうです。今だったらこんな子供蹴り飛ばしていますが)。
母親の職場にわざわざ電話をして、「安い方のデッキでいい」と告げた時の清々しい気分は、今も忘れません。良かれ悪しかれあれは大人の階段を上った瞬間でした。(結局ただのおねだりなんですが)

そういえば、せっかく別売りのリモコンを買ってもらったのに(3500円ですって……)、飼い犬がすぐに噛み切ってしまったんだよなあ。あれは哀しかった。だから、CMが始まるとデッキの前にバっと乗り出して、一時停止。CMが終わったら解除して視聴ポジションに戻るの繰り返し。ほんと、これでよく映画をまともに見られたよなあ。子供の集中力と並行処理の凄さに呆れる。


このポータブル(?)タイプのデッキも衝撃です。部屋から部屋へ持ち運びって、テレビが2台ある家が増えてきた事によるニーズなのか。なんにしても把手までついていたりして感動的だ。ポータブルとかいいつつ、三菱のデッキはフライングイレースヘッドを搭載しているとか、どう考えてもニーズにあっていないオーバースペックだ。でも、かっこいいなあ。


と言うわけで、今回は83年春のビデオ紹介記事でしたが、もう一つ年末のビデオ特集もあったので、次回はそちらをとりあげてみようと思います。