男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『ミスト・モノクロバージョン』★★★1/2


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ひと味違うバージョン

引き続きクトゥルフ物を観るため。

ダラボン監督自身が冒頭のイントロダクションで『モノクロバージョンがディレクターズカット』だと言っているように、かなりモノクロでの製作にこだわっていたようです。カラーバージョン自体も70年代のテイストを反映させているのですが、モノクロは60年代のモノクロのSFホラー映画を目指しているとのこと。

DVDのコレクターズエディションを購入してからも、ブルーレイが出たらそちらで観ようと思って放置。しかし、発売された国内盤ブルーレイにはなんとモノクロバージョンが収録されなかった。

なので、やっとこさ今回鑑賞。

確かに全体的な雰囲気は変わり、冒頭部分の霧のイフェクトも意図的にギクシャクさせていることがわかる。雷鳴の雰囲気やコントラストのつけ方もモノクロを意識している部分が多い。

そして、なんと言っても「霧」そのものの雰囲気がかなり違って見える。モノクロならではの薄気味悪さ。カラー版はリアリティを感じさせる恐怖を生み出しているが、ダラボン自身が言っているように、モノクロ版は非現実感が強調されて、確かに昔のSFホラーを想起させる。

まあ、それにしては予算がかかっていることがよくわかるので、その点はいかんともしがたいですが。

しかし、『ミスト』の映画そのものが持つパワーに再度打ちのめされるというか、何度観ても「よくぞここまで原作を尊重しつつ自分の映画にしたよな」と驚きます。ダラボンはやはり只者じゃない。