『HANA-BI』BS-hi
泣ける
実は東京国際映画祭で観たときは、かなり期待を裏切られた気分で、全然評価できなかったんですよ。えっらそうですが。
で、それ以来まったく観ていなくて、『アウトレイジ』公開に合わせてBS-hiで放送されたのを12年ぶりに観直しました。
そして、まさに「みなおした」と、またえらそうに書いてしまいますが、ホントに良い映画です。ヴェネチア映画祭金の獅子賞とかはどうでもいいんですけど、これは良い映画ですね。
正直自分が12年年をとったというのも大きいと思います。そして、やはり奥さんができて、その奥さんが不治の病に冒されているとなるとやっぱり感情移入度が違うのでしょうか。本来映画鑑賞とはそういうものと切り離されるべきなんでしょうが、そうはいかないのが人間ってもんで。
12年前に観た時なんて、たぶんまったくこの映画が何を描いているのか理解していなかったんでしょう。
もちろん一緒に久々に観た『あの夏、いちばん静かな海』は、観た当時とまったく変わらない感動が味わえたので、それはそれでいいと思うんですけどね。
ボクの中では北野武の映画は『ソナチネ』までの四本がダントツで、あとは正直あんまりグっとこないんですよ。もちろんそれぞれ面白いんですけど、あの観ていてトリップしてしまうような酩酊感は味わえないんですね。『HANA-BI』にしてもやっぱりそういう部分では、あまりグっとはこないんですけど、当然「同じ事」をしていたら映画作家としてはよろしくないわけです。だから、そういう北野武の変化を12年越しに感じ取れたんだと思いますね。
それにしても、銃の音がむちゃくちゃ重くていいですねえ。あと、もちろんたけしの映画だから殴る音の低音もすごい。ボグンボグンってすごいよ。
『アウトレイジ』は久々に劇場で観たいと思います。
それにしても『BROTHER』の予告編はかっこよすぎるな。