男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『武士道エイティーン』


もっと続けてくれえ

というわけで、終にシリーズ完結編を読んでしまいました。

今回の特徴はやはり香織と早苗の二人以外に、4人のキャラのストーリーが挿話として入っていることですね。これがどれもこれも味わい深くて素晴らしかった。


<ネタバレあり>


早苗の姉緑子と岡巧のエピソード

前半と後半で二人ずつエピソードがあるのですが、一発目のコレからして涙がググっと迫ってきます。早苗や香織の一人称ではあっさりと「別れた」としか描かれない二人ですが、その二人の馴れ初めと悲しい別れが切々と描かれるんですよねえ。しかも短いページ数なのに充実度満点。

続くのが何と香織の師匠である桐谷先生。これがまたあっとおどろく展開と正直ちょっとびっくりしたオチが待ち構えています。香織が直接絡んでくるわけではないのですが、逆に早苗の先生のエピソードとリンクしていてにくい。

そして、その早苗の先生である吉野先生のエピソードは迫力満点。やたらと娯楽性が高く、先の桐谷先生とのエピソードもからんできて燃えます。

最後はセブンティーンで大活躍したお気に入りの田原。早苗の後輩であり、高校では香織の後輩になってまたぞろ”女の子同士の友情”に彩を添えます。


で、


メインの早苗と香織。いよいよインターハイでの最終対決が描かれます。しかも、セブンティーンで登場し、実はシックスティーンから引っ張っている、全中で香織と決勝を戦っていた因縁の黒岩レナとの決戦も描かれる大盤振る舞い。二つの戦いがぶっ続けで描かれる中盤は半端じゃないですよ。3年も引っ張った早苗との戦いをあえて先にもってくる作劇も驚きますが、「お姫様抱っこ」までカマしてくれるんですからたまりません。

エイティーンが完結編としても秀逸なのは、高校卒業も含めた二人の進路に関しても描かれる点です。やっぱりこのシリーズは二人の三年間を描いた物語なんだなと収斂して感激しました。


もうこうなったら、ぜひとも二人の大学生活を描いてほしいです。おそらくまたまた同じ大学に行くことになる嬉し過ぎる展開になっているんですから、武士道抜きでいいので二人の生活を読ませてほしいです。


いやああ、大満足したシリーズでした。