『武士道セブンティーン』
またぞろ素晴らしい続編
今年初のハードカバー本読了!! やった!!
『武士道シックスティーン』に引き続き、続編の今作も面白すぎて止め時がまったく見つかりませんでした。やっぱり読書障害なんつっても、面白いものにかかればどうということはないのだ。
今回はタイトルどおり香織と早苗の高校二年生の一年間を描くストーリー。そして、当然『エイティーン』を踏まえたうえで書かれた、いわば『二つの塔』状態の作品。
なので、剣道場面にしろ、二つに分かれた舞台にしろ、魅力的な新キャラにしろ、前作をさらにパワーアップさせて娯楽性を高めています。これがもうたまらなく面白い。
そして、前作で提示された『武士道』に関するテーマも見事に双方そろって”活目”する作劇は唸らされる。
しかも、ちゃんと前作にもあったラスト数ページの「余韻」が泣けるんですよ。登場するキャラがどいつもこいつも憎めない。
物語は相変わらず香織と早苗の一人称を交互に進めるスタイルなんですが、今回は香織を巡るドタバタやギャグが面白すぎます。今回は早苗が悩む番だからといわんばかりに、外的要因で香織が一喜一憂するさまが面白い。というよりも愛おしい。一人称ならではの「行間の裏側」が読者にどしどし見えてくるのも楽しい。本人は相変わらずの「剣道馬鹿」のつもりで書かれていても、周りの反応が行動がそれを許さないのがいいんですよね。
ああ、次で完結編ってわかっていると、もう寂しくなっちゃいますよ。