花咲アキラの『のぼうの城』を読みました
岡星が鎧武者に
前から気になっていた和田竜さんの『のぼうの城』。と言っても、人並み外れた読書障害を起こしている人間ですから、そうやすやすと手に取るわけもなく。
そうこうしている時に、スピリッツで連載していた漫画版が単行本化。
「これなら読める」
と、我ながら情けない理由で読んでみました。
全一巻なのですが、想像通りの心地よい時代劇漫画で嬉しかったです。リアリティ満点のドロドロ時代劇なんかも大好きですが、絵に描いたような義侠心あふれるファンタジックな時代劇も大好きです。
一つの城を巡っての攻防戦に絞った構成などは、クレヨンしんちゃんの『アッパレ戦国大合戦』にも通ずる手堅さです。
そして、魅力的なのは各登場人物がみんな爽やかなんですよ。
そこが読んでいて大変気持ちが良かった。
戦っている者同士が、恨み辛みではなくて「戦」をプロフェッショナルとしてこなしている感じがいいんですよね。それでいて互いに敬意を払っているのがいいです。
原作も読んでみたいです。
生涯『美味しんぼ』作家だと思い込んでいた花咲アキラが、タッチはいつもの『美味しんぼ』なのに、キチンと考証を踏まえてディティール豊かに作画しているのがさすがだと思いました。
もっとも、最初の頃はあの絵柄のせいで、いつ副部長がガブっと咬みついてきやしないか冷や冷やしちゃいますけどね。
和田竜の最新作。”戦国時代のスナイパー”なんてソソるモチーフだろう!