男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『ウォーキングデッド』シーズン1をやっと観ました

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正統派ゾンビ物の傑作

昨今のアメリカは吸血鬼ブームに湧いているようですが、ゲームなどを含めると「ゾンビ」ブームも根強く拡がっているようです。そんな中、史上初の「テレビシリーズでゾンビ物」をやらかした『ウォーキングデッド』。その心意気の良さも素晴らしいんですが、何よりも映画ファンの心を鷲掴みにしたのは、なんといってもフランク・ダラボンの参入ですね。恐らく現在ハリウッドで最も「ホラー」を分かっている人間が、「ゾンビ」物を手がけたということが先ず嬉しい。

そして、彼が監督も務めた第一話。これがまた強烈な傑作で、「ゾンビ」を愛するすべての人間が納得出来るような作品でした。

今回遂にシーズン1全6話が一挙放送されたのを観ることがかない、「ゾンビ物」のセオリーを律儀に守りながらもテレビシリーズの強みを生かした作劇を堪能。

『病院で目覚めると世界が一変』
『一軒家に籠城』
『文明が終わった牧歌的な世界』
『地獄と化した都市』
『数の圧力で押してくるゾンビ』
『近代ビルに籠城』
内ゲバ
『ゾンビ殺害方法のエトセトラ』
『研究所とタイムリミット』
『身内が死んで生き返る』

などなど、『ゾンビ物』ならではの要素が、古典からモダン、果てはゲームに到るまで、取り入れられており、まさに『ゾンビ物』の集大成という感じです。

また、テレビシリーズだからといってもまったく妥協無くゾンビのメイクアップ関係が壮絶に素晴らしい。多種多様なゾンビのレパートリーをはじめ、眼球部分の表現や殺され方のバラエティも実に良い。基本的に歩かない『ロメロ・ゾンビ』なのですが、こいつらの芝居もやたらと上手い。

『ゾンビ物』には数多くの傑作があるのですが、間違いなくこのシリーズもその内の一本に数えられる傑作です。

願わくば早速予定されているシーズン2でもダラダラせずに、終末世界を丹念に刺激的に描いて欲しいと思います。


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キングによる『ゾンビ物』。数ページで始まる「終末の始まり」描写が圧巻。あくまで主人公の視点に立ったミニマムな「終末の始まり」の瞬間の迫真性は必読。『ゾンビ物』でこの瞬間が描かれたものは少ないので、それだけでもお見事。


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「走る」近代ゾンビ物として白眉の作品。大人たちが子どもたちを襲うという不条理ホラーとしても圧巻で、永井豪の『ススムちゃん大ショック』と並ぶ怖さ。


『ゾンビ物』の始祖として読むべき傑作。「病院で目覚めると世界が一変」はここからのモチーフ。『28日後…』でも使われてましたね。