男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

刑事コロンボ #29歌声の消えた海

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看護師の女性が妙に艶めかしくて

水曜ロードショー時代に録画したビデオを何度も観ていました。なので思い出深いと共に、カット場面が新鮮。追加アフレコがされているのですが、それを担当している銀河万丈さんは声の質は低いながらも実に巧く小池朝雄の口調を引き継いでいて巧かったです。石田太郎さんも巧いですけど、声優さんは凄いですね。
イチイチ追加してまで小池朝雄パートを活かすぐらい、小池朝雄さんが素晴らしいという事でもあるんですけどね。

犯人役のロバート・ヴォーンはひいきの役者さんで、『宇宙の七人』の座ったままのキャラクターとか大好きでした。なので、この話も愛着がある。

この話の面白いのは何と言っても「客船が舞台」ってところです。コロンボも「カミさんがくじ運がめっぽう強くて、缶詰を買ってメキシコへ行こうってのに当たって」って事で非番。カミさんが全編でもかなり視聴者の身近にいる作品じゃないでしょうか。最後の方なんてもうちょっとでニアミスだし。
あと、コロンボが「このボートに」って言うたびにクルーが「汽船です」と言い直すくだりも最高。最後の方はこっちまで「汽船だろうが」と突っ込むこと必至。なので、ラストの「どっちでもいいよ」というコロンボの下げが活きます。

中期の作品なので、コロンボの性格の悪さやネチネチぶりは芸術の域に達していて、ロバート・ヴォーンに同情すること疑いなし。「もう一つだけ」と呼び止められた犯人が、観客に見せる「ったく……」きわまる芝居はいつみても面白い。

呼び出されて現場についても殆ど何も出来ないまま船酔いで医務室に行ってしまうコロンボが情けなくて巧いです。犯人のところへ実に納得のいく誘導を示してくれます。

シーンによって突然クオリティが下がったりしますが、全体的にHDクオリティは水準をクリアしています。テレビっぽい雑な部分もそのまま再現されている感じでしょうか。