男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

再放送で『古畑任三郎』を久々に観ています

「先生? あ、ほらやっぱり先生だぁ」

東京では夕方から三谷幸喜脚本の『古畑任三郎』の全シーズン連続再放送が行われています。

本放送の頃ほんとにハマって毎日観ていたのですが、最近はご無沙汰していました。

今回久々に1stシーズンを観直して、あまりにも面白いのでまたハマっています。

何と言っても田村正和三谷幸喜が作り上げた古畑のキャラクター造形が面白過ぎて。

1.人間としての器量が小さい
2.とにかくムカつく慇懃無礼
3.ただのミーハー
4.遠慮がちにみせかけて実は出たがり&出しゃばり

などなど、「端から見ていると笑えるけど、近くにいたらウザすぎる」リアリティ抜群のキャラクターなんですよね。しかし、古畑のそういうところがたまらなく共感を生むんだから巧いもんです。

本来は、元ネタである『コロンボ』と同様犯人が主人公であって、古畑はいわば「悪役」として登場するんです。1stシーズンはそれが思いっきり意識されていて、主人公である犯人を”なぶり殺し”と言っていいほど追いつめる様が面白過ぎます。特に小堺一機のエピソードは白眉で、これでもかこれでもかと揺さぶられるのが圧巻。

古畑任三郎〈1〉 (扶桑社文庫)
古畑任三郎〈2〉 (扶桑社文庫)

小説版は完全に犯人側の視点で描かれており、三谷幸喜の文章によるギャグも満載。特にニセ超能力者のエピソードでの古畑登場には唸らされます。

桃井かおりのエピソードでは三谷幸喜の脚本でその後たびたび登場する「赤い洗面器の男」の挿話が初登場したり、『振り返れば奴がいる』に登場した鹿賀丈史扮する中川外科部長もお縄になったりとファンには楽しいエピソードが連続。最初はシリーズ化などは念頭になかったでしょうから、純粋に三谷幸喜のテレビドラマ二本目という印象が強く感じられます。

恒例である番組開始時の古畑による前口上もたいへん大好きで、本編のヒントになることを言っているハズなんですが、三谷幸喜ならではの名調子が炸裂して笑えます。視聴者に対してへりくだっているように見せかけて、実は小馬鹿にしている古畑のキャラが秀逸なんです。

中でも大好きなのが木の実ナナのエピソードでの前口上

「自分が人に嫌われてんじゃないかって心配してる皆さん、安心してください。
そういう場合はたいてい本当に嫌われてます」

”たいてい本当に”と言うしつこさがポイントです。ここでの田村正和の言い方が本当に絶妙ですし、実際に「そうだよなあ」と思うことなので、そこも含めて三谷幸喜は巧かったなあと思うわけです。

「全国の完全犯罪を企んでいる皆さん……」も傑作。


現在2ndシーズンを放送中で、やっぱり第一回目の明石家さんまのエピソードは面白いなあと思ったり、木村拓哉のエピソードがちゃんと放送されているのも嬉しかったです。

2ndシーズンについてはまた後日。


それにしてもオープニングの音楽とテロップは傑作です。絶対に飛ばさないで観ちゃうモンなあ。

警部補 古畑任三郎
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テーマはアレンジがしてあって残念ですが、他の音楽もいいです。泣かせの音楽なんて感動的です。


本来のオープニングテーマが堪能できるのと、こちらもバラエティに富んだ音楽が勢揃いしています。サントラとしてはこちらがオススメ。

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三谷幸喜の最高傑作。全エピソード外れなしに面白く、ロマンチック。全話通して観終わったときの幸福感は至福。