男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

刑事コロンボ『殺しの序曲』『死者の身代金』『ホリスター将軍のコレクション』『もう一つの鍵』

BShiで連続放送していたハイビジョン版。久々に観ています。

『死者の身代金』は昔観ているはずですが、もちろんまるっきり覚えていません。

最初は『殺しの序曲』をただたんに観ようと思ったんですが、やっぱり面白いので他のも観たくなったわけで、だったら念願の「放送順」に観てみようと思った次第です。

といっても何度も観ているエピソードはとばしてますけどね(『殺人処方箋』とか『構想の死角』とか)。

旧シリーズ(全45話)でも最後の方に当たる40話『殺しの序曲』は、天才たちが集まるクラブで起こった殺人をコロンボが解き明かす。クライマックスの「対決」が大変盛り上がります。

一作目の『殺人処方箋』に続くパイロット版『死者の身代金』はリー・グラント演じる最初の女性犯人。二作目でかなりピーター・フォークコロンボ像は確立されていて、違和感はあまりありません。ただ、吹き替えの翻訳が額田女史ではないので、有名な「カミさん」は「女房」になってます。「女房」でもまるでセリフとしては問題ないんですが、まったく印象に残らない辺り「カミさん」って良い訳だなあと思いますね。

シリーズ開始の一話目スピルバーグ監督の『構想の死角』と続く『指輪の爪あと』はとばして、三話目の『ホリスター将軍のコレクション』。エディ・アルバート演じる犯人が戦争の英雄らしいんですが、戦争の英雄なんてよく考えたら恥ずかしいだけだろうという思いがあるので、英雄に仕立てられている映像とかが滑稽に感じますよ。まあ個人的な意見ですけど。このエピソードは珍しく殺人の目撃者が登場し、演じるスザンヌ・プレシェット(『鳥』で殺される教師の人)が重要なキャラとして機能しています。コロンボとしてはこの手のシナリオは異色。それにしても、自分の罪を誤魔化すために目撃者を誘惑するおじいさん将軍もすごい。還暦超えても女性をオトせるなんて。

四話目の『二枚のドガの絵』は有名なんでとばして、5話目の『もう一つの鍵』。スーザン・クラーク演じる犯人が、エキセントリックなキャラクター作りで鬱陶しいんですけど、負けず劣らずコロンボが面倒くさいキャラなのでどっちもどっちです。ははは。終盤にブチギレて「ほんとにしつこいわね!」と咆える犯人に同情します。

今観るとどのエピソードも「え、そんなオチでいいの?」というぐらい結構驚きの少ない謎解きだったり引っ掛けだったりするんですけど、「どうだ、すごいだろう!」というような強引なトリックよりは好感が持てます。それにコロンボの魅力ってやっぱり、あの「コロンボ……」というキャラ設定と、それに対峙しないといけない犯人への感情移入がキモですからねえ。

そういう意味ではどれもこれも面白いエピソードです。

別冊宝島 『刑事コロンボ完全捜査記録』 (別冊宝島 (1330))
町田 暁雄
宝島社
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一話観る毎にこちらの該当ページを読むのが楽しみ。いや、むしろこれを読むために観ていると言ってもいいぐらい素晴らしい本です。

見開き2ページの各エピソードの解説に、ぎっしりと楽しい解説やコラムやイラストが詰まっていてホントに面白くて楽しい。

コロンボ』を観るときは必携と言えるでしょう。