男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

七人の侍(2枚組) [DVD]

七人の侍(2枚組)<普及版> [DVD]

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最初の出会いはキネマ旬報のバックナンバーに載っていたシナリオ

月刊プレイボーイ黒澤明特集を読んでいたら『七人の侍』を観たくなったので。

今回は敢えて劇場と輸入ビデオで刷り込まれるほど観たオリジナルモノラル音声で。オリジナルの音声にはお馴染みの剣で切られる音もなく、種子島の音がズレているのが特徴。早坂文雄の音楽もこもりぎみで、台詞も全然明瞭じゃない(どっちにしろ聴き辛いのはリニューアルでもそれほど変わりませんが)。
リバイバルの際にドルビーステレオにリニューアルされて、その際に切られる音が追加されたときは結構ビックリしました。

何度観ても思うのは、205分と言う長尺が全然長く感じられず、「もう終わりなのかあ……」と言うセンチメンタルな気持ちになるのが凄い。それぐらい作品の中へどっぷりと入り込ませるんですね。これはやはり三船敏郎演じる菊千代のキャラが絶妙にコメディリリーフとして機能しているからなのと、仲間集めのエピソードがあるからでしょうね。

視点がずっと侍と百姓の周りで固定してある作劇法も大好きで、長尺モノにありがちないくつものストーリーラインをクロスさせたりしてスケール感を出そうとする作劇は一体感が薄れるように思います。

最近どうにも視点がとっ散らかって様々な場面が錯綜する作劇に抵抗があって。黒澤のワイプ技法を筆頭とした場面転換のテンポの絶妙さが実に心地いいです。色んなストーリーラインをジャンプすることでリズムを生み出すより、こういった技法のほうが観客が置いてけぼりにならないでいいと思うんですけどねえ。