男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『エアポート75』を観ました。


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WOWOWで放送されたHD版にて鑑賞。

子供の頃はテレビの洋画劇場で放送していたのもを何度も観ていましたが、大人になってから見直すと結構「雑」な事に気づいて興味を失っていました。

ところが、今回シネスコノートリミングのハイビジョンで観直してみると、やはりテレビ出身のスタッフらしい「雑」さはあるものの、古き良き時代の大作として非常に楽しめました。

ランニングタイムの半分である44分過ぎにやっと事故が発生するあたりも、現在の感覚で言うと大変スローテンポ。前半部分で丁寧に人物描写をしているかというとそうでもなく、オールスターキャスト(と言っても、それほどでもない)の紹介もけっこうおざなり。

ただ、いざ事故が発生してからは緊迫感がずっと持続しており、子供の頃手に汗握ったのを再確認できました。

特に主人公の女性主任客室乗務員を演じるカレン・ブラックが大変素晴らしく、危機に対して敢然と立ち向かう女性という近代的なキャラの嚆矢として再評価する必要があります。チャールトン・ヘストン演じる恋人のパイロットから無線で指示されながらボーイング747の進路を慎重に調整するシークエンスは白眉で、自動操縦のオンオフや各種計器の読み上げと復唱など、細かなディティールの積み重ねを一切省かない描写が圧巻。その間音楽を一切流さない古典的だが効果的なサスペンス演出も冴え渡る。

航空会社の全面協力によるボーイング747の実機撮影が最大限の効果をあげており、先の操縦の手順の描写も、これだけの機体を動かすのかという強烈なプレッシャーを増幅させている。単純にシネスコ大画面に大変栄える機体で、雄大な自然をバックに低空を続けるボーイングの姿を捉えた撮影も見事。

クライマックスで無線の通じなくなった状態にも関わらず、カレン・ブラックが自力で機体の上昇操縦を行うシークエンスも、前述の手順の描写が緊迫感を異様に盛り上げてくれる。


有名なパイロットの空中移乗のアクロバティックなアクションも一部稚拙なセット撮影が白けるが、それを補って余りあるダイナミックな空中撮影が盛り上げてくれる。


やはりシネスコの映画はシネスコで観ないと真価は判断できない。


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