『おおかみこどもの雨と雪』★★★1/2
細田守監督の『サマー・ウォーズ』が個人的にちょっとひっかかる作品でしたので、今回は観に行こうか躊躇っていたのですが、これは観に行かないと危ないところでしたw
細田守のほんとうの意味でのオリジナル第一作として、脚本はおろか原作小説まで書いていることからも分かるように、自分のやりたいことを全力で叩きつけているような傑作でした。
僕は「別れ」の描かれる作品が大好きなのですが、細田守監督は前二作でも大変印象深い「別れ」を描いていました。この作品でもそれは健在で、むしろより洗練されて感動的な「別れ」が描かれているのが印象的でした。
作画のレベルは驚嘆の極地にまで達しており、特に様々な「風」の表現には常に唸ってしまうような素晴らしさ。
子供の頃に夏休みを祖母の家がある田舎で過ごしていたので、おとなになってからも「田舎」の描かれる作品には常に興味があります。そういう「田舎映画」としても『おもひでぽろぽろ』に並ぶお気に入りになりそうです。
もちろん細田守監督の「小奇麗にまとめようとする」傾向が序盤にあるのがちょっと残念なんですが、そんなものを蹴散らすほど田舎に行ってからは総てが魅力的。
お勧めです。
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