男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

時をかける少女 限定版 [DVD]

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特典ディスク1枚目。

メイキングと細田守監督の「ディレクション・ファイル」

メイキングはそれほどの長さはないですが、非常に広範にわたって作品に対するアプローチがなされていて面白かったです。アニメーションなので製作中の映像資料はそれほどない代わりに、アメリカなどの昔の作品のDVDに付いてくる、改めて製作されたメイキングみたいな感じが良くて楽しめました。
結果がすでに出ている幸福感にあふれた証言が多いのも特徴。テアトル新宿の興行側のインタビューも非常に興味深かったです。観客層が途中からガラっと変わった異例の現象など。「左右崖の頂を見事に渡って頂上にたどり着けた」という表現もあって、なかなか言いえて妙だなと思いました。

細田守監督に対しての期待値が一般的にはゼロに等しかった状況で、あそこまで興行を成功させたという部分では、口コミがネットを介して十分に興行の武器(手段)になることが証明されたのも大きかったと思います。

細田守監督が実際に何例かシーンの演出意図を語る「ディレクション・ファイル」は非常に重要で価値のあるコンテンツでした。スキルによって生み出される効果をちゃんと明言化しています。
途中でふと口にした監督の言葉が、非常に僕の持つ意見と合致していたのでメモ

「この映像の次のカットでこの映像を入れることで別の意味を創り出せるのは演出家しかいない」

エイゼンシュタインの提唱したモンタージュ理論と言ってしまえばそれまでなんですが、編集の仕事ではなくてそれが演出なんだということを意識させてくれますね。映画ってのはこれであって、黒澤監督が大島渚に言っていた「映画は時間の芸術」という言葉にも通じる気がしますね。