男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『アイアムアヒーロー』★★★1/2

実はめったにない「まとも」に面白いゾンビ映画がまさかの日本誕生

『ビリギャル』でも可愛かった有村架純がまたいいんですよ。

<以下ツイッター採録

おいおい傑作じゃないの!!

またしても野木亜紀子さんの脚本が見事で焦る。原作はちょうど映画のあたりまでは読んでいるので、脚色の見事さに驚かされる。有村架純演じる女子高生の使い方が秀逸。ザックとガンの傑作『ドーン・オブ・ザ・デッド』と同様序盤の予兆の積み重ねが燃えに燃える。

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ジェイムズ・ガンとザック・スナイダーがロメロの金字塔をまさかのリメイク成功! タイトルまでの世界崩壊シークエンスは屈指の悪夢ぶり!


日本を舞台にして、これだけ「まとも」なゾンビ映画を作ったことは評価せざるをえない。しかも銃器を使ったゾンビ映画カタルシスが、ためにためた延長線上で、主人公の転換と結びついているのが最高。あの使い方は銃器が日常ではない日本でこその使い方。許可証へのこだわり!

ご存知尿泉尿が素晴らしいメガネ野郎を演じきっていて、個人的に原作の欠点だと思っている主人公への拒絶感を薄め、観客をがっちり味方につけている。序盤の彼女への口調と物腰でガッチリ我々の心を鷲掴みに。場内爆笑のローレックスのくだりも大泉さんならではの説得力。

フォーマットそのものはロメロ時代から脈々と受け継がれている「王道ゾンビ」。なので80年代人間には新鮮味はないとはいえ、あとはどこで主人公が覚醒し、ゲスがぶち殺されるかというテンプレに陥る危険の中、ボスゾンビ(最高)の配置や、長澤まさみ有村架純が救済。

藤原カクセイによる特殊メイクアップ(この甘美な肩書き!)。自分が21世紀に生きているとは思えないような大盤振る舞いと造形の見事さ。序盤の「生まれたてゾンビ」から「出汁ガラゾンビ」まで、時系列に沿った丁寧な仕事は間違いなくゾンビ映画史に残る偉業。

2幕ラストのカーアクションも素晴らしい。日本映画とはとても思えない「ノイズ」の入らない納得のアクション。車のクラッシュにおける回転美。シートベルトの重要さ。

しかし、最近の日本のエンターテイメント映画でクライマックスがこれだけ盛り上がるのは、『ちはやふる』に続いて2本目。どちらもシネスコ。去年の『天空の蜂』といい、日本のエンターテイメントも着実に正常な状態に近づいているという嬉しい驚き。

いちばん嬉しかったのは、終わった後に若い人たちが笑ってたこと。そのあとのどよめき。「怖かったあ!」「まじ最初キンチョー」などなど。泣けたね。ホラー映画がちゃんと怖いという喜びですよ!

・・・

それにしても、終わった後の観客の若い人たちの反応が嬉しかったなあ。まともなホラー映画がちゃんと若者に届くってのはいいことですよ。


80年代ホラー映画の洗礼を受けた人たちも、今の邦画のエンターテイメントに期待している人たちも、みんな強力にオススメします!!


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