タワーリング・インフェルノ TBS版
ネットでアップされたものを鑑賞。
94分にカットされているバージョンなので、本編から70分もカットされているわけですが、意外に違和感がなく上手にカットしていると思います。水曜ロードショー放送時にもカットされた、ポール・ニューマンのクリフハンガーアクションはこちらでもカット。基本的にアクションシークエンスはどれをカットしてもストーリー上ほとんど影響がないんですが、あのアクションはボクのクリフハンガー初体験だっただけにノーカット版のビデオが出るまでは長らく悔しかったもんです。それに、あのシーンがないとニューマンたちが階段で階下へ降りるのを諦めてプロムナード・ルームへ行くのが少し不自然に感じられるんですよね(今回の吹き替えでは「下は火の海だ」と入れてごまかしてましたけど)。シーンが変わったら突然凄く汚れているし(まるで崩壊した階段をゴロゴロ転げ落ちたように)。
吹き替えは以下
- 宮部昭夫さんは声質といい、飄々としたしゃべり方といい、実にマックイーンっぽいんですが、オハラハン隊長というキャラクターには内海賢二さんはかなり似合っています。ドスの効いた声が否応なく説き伏せる感じで。
- ちょっと建築家って感じじゃないんですけど、お芝居は素晴らしい。ダンカン社長への怒りがよく出ていますし、内海賢二さんとのマッチングも良い。
- 鉄板だなあ。たたき上げっていうニュアンスを感じますね。
フェー・ダナウェー 池田昌子
- 声が美し過ぎます! カットされすぎてあんまり出番がないんですが、パニックになる来賓をなだめる口調に気品がありすぎて全然言うこときいてくれない。
ロバート・ワグナー 谷口節
- こちらも城達也さんに慣れすぎてますが、あんだけカットされていれば役不足でしょうね。谷口節さんはバッチリ不倫してそうな感じ。ははは(実際に不倫なのかどうかは本編では分かりませんが、間違いなく不倫だろうあのカップルは)
- いいなああ! さすがフリーザ様。開口一発目から「元凶」丸出し。ははは。
- シンプソンの芝居が数倍上手く見えるこのマジック。
フレッド・アステア 中村正
- 全部中村正が吹き替えているんですが、最後に「リゾレット!!」と呼びかけるシーンで突然シンプソンに声をかけられたときの「あぁああん!?」ってのがどんどん過剰になっているのが笑えます。あそこは実にユーモラスで哀しい。
今回、遂に発売されるブルーレイの吹き替えがどのバージョンなのか調べていたわけですが、木原たけし翻訳となっているので「水曜ロードショー」版か、この「火曜ロードショー」版が有力になっているようなんですね。この吹き替えもかなり上質なのですが、さすがに70分もカットした音源だと、いつかの『大脱走』DVDみたいに、「日本語吹き替えのロングバージョン」が売りの商品があとで発売される事にもなりかねないです。
なので、ここはせめて水曜ロードショー版の収録をお願いしたいですね。個人的にも一番聞き慣れているし。
でもなああ、やっぱり希少価値とか豪華さとか、ノーカットってところからもゴールデン洋画劇場版の収録がよかったなあ。