ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ ファースト・シーズン コレクターズ・ボックス [Blu-ray]

ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ ファースト・シーズン コレクターズ・ボックス [Blu-ray]

サラ「遠足に行くわよ」
ジョン「じゃあ、俺ショットガン！」
キャメロン「わたしは９ミリ拳銃」

夏には『４』も公開され、現在アメリカではシーズン２が放送している『ターミネーター』のテレビ・シリーズ版。随分前から噂だけはあったのですが、2008年1月に放送開始されると視聴率も高く評価も良かったわけで、かなり楽しみにしていました。

「写真で見るより綺麗だな」

と言う、映画版を飽きるほど観てきた人間ほど納得至極の台詞が炸裂するように、サラ・コナー役はリンダ・ハミルトンから変わって『３００』で王妃を演じていたレナ・ヘディが演じています。彼女がなかなかよくて、登場初っぱなからウェイトレスのミニスカ姿でカマしてくれます。基本的にはＴ２からのサラ・コナーを踏襲してタフネスぶりを前面に押し出しているのですが、臆病者でユーモアも解する『ターミネーター』の頃の面影も出ていて好印象です。

ジョン・コナーはさすがに現在のエドファード・ファーロングではテレビ的にアレでナニなようで、イケメンのトーマス・デッカーという人にチェンジ。彼もいかにも「若い頃のジョン」っぽくてなかなか良いです。相変わらずコンピューター部門担当のくせに無茶するあたりもニヤニヤものです。適当に孤独ぶってみたり、あったこともない父親の事になるとうわうわになってしまうあたりはお約束でしょうか。

今回のテレビ・シリーズ一番の見所と言えばやはり、美少女型ターミネーターその名もキャメロン！（ベタ過ぎて潔い）でしょうか。無かったことにされている『ターミネーター３』で良い味出していたクリスタナ・ローケンが大人の魅力全開だったのに対して、こちらはティーンエイジャーの外見なのに、中身は思いっきりロボットというアンバランスさが楽しいポイントです。基本的に総ボケ状態なのでギャグの振りは殆ど彼女が処理するんですが、鬼のように無表情なのはポイント高いです。決め顔すらよしとしないその感じは合格です。中でも好きなのは、一般の車に激突されてフロントガラスをぶち破った状態なのに、「動揺なさらないで」と丁寧に無茶な事を言ってのける場面。どんな状況でも動揺せずに慇懃な態度がロボットの基本と考えている人間としてはあれは美味しかった。感情を学んで成長するのかと思わせておいて、躊躇いなくブチ殺すあたりも、「人は殺しません」と腑抜けた誓いを立てた『Ｔ２』のT-800と違って個人的には高ポイントです。ターミネーターは人殺してなんぼだろう。中でも自分の手を汚さずに、ちょっとだけ関与した人物をギャングの取り立てから庇うこともなく見殺しにするあたりは鳥肌が立つほどクール。しかも基本関係のないその人物の妹で、仮にも「魂が必要なのよ」と何だか偉そうな訓辞をいただいたバレエの先生まで見殺しっすよ。かっちょいい。

演じるサマー・グローという女優さんは、美少女というには個人的にあまり好みの容姿ではないのですが、観ているとやけにハマるのが不思議です。やっぱりロボットの仲間ってだけでも美味しい設定なのに、それが美少女ってのはそれだけでフルハウス最初からそろっているような感じだからでしょうか。

ストーリーは基本的にアメリカのテレビドラマらしく一話関係ですが適度に引きを用意してあるので、なかなか止められないつくりです。９話しかないので結局一気に観てしまいましたが、その９話目からして思いっきり良いところで終わっちゃう。

人類規模のスケールの話なはずなのに、登場人物は少なくやっている事も実際はスケールが小さいというのも映画版から引き継いでいます。なので一話一話は割とこぢんまりとした造りです。それでも『Ｔ２』から直接続いているストーリーなので、そこら辺が実に巧く出来ていて面白いんですね。お馴染みシルバーマン先生がT-1000に会ったときの話をするくだりはなかなか鳥肌ものですし。

カイルの兄貴であるデレクが登場してからは、俄然ターミネーターらしさが盛り上がります。特に未来のロスでのエピソードがミステリアスでありながら、カイルとジョンが刑務所を脱走した話題が出てきたりして、『４』への期待もあげるにくい演出です。

個人的には学校でのエピソードが結構面白いので、一話まるごと学園モノっぽい話も観てみたい気がします。殺伐とした雰囲気を無くして、純粋なコメディとして。

コメディと言えば、デレクがサラの歯ブラシで延々20分も歯磨きをするシーンは爆笑でした。なんだ、ありゃ。

早くシーズン２が観たいですね。