男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

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子供の夢の世界!

ボクはどうも”子供が夢想する世界が現実化する”物語に強く惹かれる傾向があって、『パラサイト』を観たら何となくもっと”子供の夢想”映画が観たくなりました。ハリウッドは大真面目にそういうジャンルの映画を大量生産しているので、以前から興味のあったこの作品をチョイス。

基本的にはヒッチコックの『裏窓』からプロットを拝借しているのですが、『裏窓』自体こどもの頃飽きるほど観ていたお気に入りなので、後はどれだけティーンを主人公に持ってきた要素を活かしているかどうか。
で、これが大当たりでした。

一応”父親を亡くした少年”と言う今のアメリカ人が喜びそうなエクスキューズが入っていますが、そんなの本筋が始まってからはほぼ無視されているのも非常に好感が持てます。
先ず家に監禁される理由が先生をぶん殴るっていうあたりから、子どもの夢が炸裂。しかもシャリア・ラブーフのパンチが強烈で、あのためらいの無さは抜群です。

ギミック的には足に取り付けられたセンサーがあるので、家の庭あたりまでしかうろうろ出来ないという設定なのですが、これもシナリオ上はあまり有効に機能しません。ここらあたりの緩さ加減も何とも良い感じです。ここら辺りがキチンとしていると、やはり映画としての完成度を追い求めてある意味台無しになっていたかもしれません。中学生ちょっと上ぐらいの脳みそ加減がちょうどいいんです。こういう映画は。

この映画の肝と言うかロマンは、(もちろん)タイミングよく引っ越してきた隣の美少女が、(もちろん)何の努力もなく主人公に好意を持って、一緒にあれこれ冒険を繰り広げることでしょう。
この作品では、冒険の主題になっているのは、隣の男が殺人犯。これもまあ子供心を分かっている。傑作『フライトナイト』からこっち、子どもは危険に巻き込まれたいもんなんですよ。
ロマンス&サスペンスを一度に味わえるのも、実はヒッチコックのスタイルをキチンと踏襲しているわけですね。

これでヒロインが、ちょっと……だったら台無しですが、この映画ではいいのを見つけてきたようで、

サラ・ローマーと言う、ちょっときつめの感じの美少女なのです。基本的にバカそうじゃない辺りが好感が持てました。この娘がまあ、笑っちゃうぐらい何の理由も無く主人公と仲良くなるんだから最高です。

くわえて隣の殺人鬼にデヴィッド・モースという、完全にミスリードを放棄したまんまなキャスティングなのも分かりやすくていいです。

何だか妙にハマってしまって、続けて何度も観てしまいます。