ハロウィン(ロブ・ゾンビ監督版)
意外にちゃんとしている
ロブ・ゾンビがジョン・カーペンターの映画史に残る傑作『ハロウィン』をリメイクすると聞いたとき、一応予習のために『マーダーライズ・ショー』と『デビルズ・リジェクト』を観ておこうと思ったのですが、DVDが借りられていたり、WOWOWで放送したときはHDDが満タンで失敗したりとなかなか機会に恵まれませんでした。
まあ、これから最初に観てもいいかと思い始めても、全然日本で公開する気配はないですし(ハロウィンにでも無理矢理公開するのかな?)、安かったので結局北米盤を観ることにしました。
英語自体はFUCKの意味とオリジナルを観ていれば大体理解できる範囲だったので、割と苦も無く観られました。
オリジナルが異様に大好きだと言うことを差し引いても、ロブ・ゾンビはかなり健闘しているのではないでしょうか。一番心配だったリメイク版のオリジナル要素である”少年時代”のシークエンスも観終わってみれば本筋よりも興味深い内容で面白かったです。なんと言っても少年時代のマイケル・マイヤースを演じている子役が抜群に怖いです。ウィリアム・シャトナーマスクがいきなり登場するのですが、その大きなマスクを子どもがかぶる頭身の奇怪さも怖くて、そこにカーペンターのシェイプ・テーマがかかってくるともうたまりません。
いよいよマイケルがハドンフィールドに戻ってきてからは、意外に律儀にカーペンター・スタイルを意識した演出が頻出しますが、基本的にはロブ・ゾンビ独自の重低音な殺人描写が連発します。そんな中でもシーツのお化けや、印象的過ぎるダサいメガネもちゃんと登場させるあたり結構余裕があったりもします。
ローリーも今時になっているのかと思いきや、黒ぶちメガネをかけさせて充分ヘタれな感じです。
ただ、やはり本筋になってくるとカーペンターの完璧なスタイリッシュさと比較してしまうのは避けられず、公平に評価するのは難しいといわざるを得ないですね。
ソレ抜きにしてもちょっと後半部分はダレるかな。
もっとも、これが日本未公開ってのはちょっとどうかと思うほど完成度は高いので、はやく公開して欲しいもんですね。
そして、ちゃんとオリジナルの『ハロウィン』もフィルムでリバイバルして欲しいと切に願います。前にフィルムで観てからもう10年以上経っているなんて……