男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ロッキー三昧

「ロッキー」30周年記念エディション

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ロッキー2 オリジナル・サウンドトラック

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『1』のサントラは全曲リピートで、『2』はバトル・シーンの傑作”Conquest”をリストに入れてます。

『1』ではバトル・シーンでかかり、『2』では最初の特訓モンタージュでかかり、川口浩探検隊ではラストを締めくくる名曲中の名曲”Going the Distance”はヤバすぎますね。『ロッキー・ザ・ファイナル』の予告編でも、反則並みに燃える。『2』では特訓シーンにソレが使われたので、「試合の時はなにかけんのや!?」と月曜ロードショーで観たときは焦ったもんですが、かわってかかりだした”Conquest”がヤバすぎて。『2』の試合の何が燃えるのかっていうと、「アポロが本気」って事なんですよね。最初っから倒す気(殺す気)満々でガチンコ・バトルなのが燃え過ぎで。そういう驚異のテンションに負けないようにビル・コンティもこの曲を作っちゃったんでしょうねえ。
どうでもいいけど、『2』を舐めてる人って多くないですか? まあ『1』があれだけの傑作だからどうしても比較されちゃうんですけど、中盤までの涙なくしては観られないロッキー涙の就職活動や、二回もある特訓モンタージュに、クライマックスのガチンコ・ファイトですよ。『4』にも言いたいことは山ほどあるのですが、それは別の機会に。
本編ではオープニングのタイトル部分と、マイクが降りてくる時に冒頭部分しか使われない”Fanfare for Rocky”が実は結構ヤバくてですね。『2』ではアレンジされてタイトルからそのまま『1』のバトル・シーンへと移行する激燃えオープニングに使用されているんですが、『1』のバージョンがシンプルなまま燃えまくりで、ファンファーレから燃えパートにつながるあたりは激しいです。ただ、これを使わなかったあたりが、やはりジョン・G・アビルドセン監督の冴えに冴えていたところだったんでしょうねえ。*1

ってな感じでYouTTubeを調べたら山ほどあったので、論より証拠。いい時代になったのお。

まずは『ロッキー2』から特訓二連発。エイドリアン(松金よね子)に「勝って」と言われたと思ったら、ミッキーのダミ声で「何ぼけっとしてやがる!」と激を入れられてからの導入部が無茶苦茶。夕陽をバックに腕立て伏せとか、テンション上がりすぎて縄跳びを叩きつけるあたりは『怒りの鉄拳』でヌンチャクを叩きつけるのに通じるパッション。スタローンのチンピラ演出が全編にみなぎってます。やっぱりミッキーのダミ声でどやされながらの特訓が一番燃える。それにしても子供たちを振り切って全力疾走するロッキーの大人気なさは特筆モノ。スタローンも凄い形相だし。

で、こちらが『1』の特訓モンタージュ。名曲中の名曲”Gonna fly now”にシンクロさせてロッキーの練習シーンを編集でつないでいくという有名なシーンです。上記の『2』と比べるとやはりさすがジョン・G・アビルドセンと唸らされます。この作品で初めて使用されたステディカムによって、流れるようにロッキーの走るショットを移動で捉える躍動感や、腹筋するショットで1回カットを飛ばすあたりのリズムの良さ、そして埠頭を走るロッキーを横移動で捉えた名ショット(この映画で一番好きなショット!)で、どんどん足が速くなっていくのと音楽の高揚が見事にシンクロしながら見事にフィラデルフィア美術館の階段へのショットに繋げる感動。何度観ても泣ける。泣ける映画がモテはされている昨今ですが、涙ってこういう場面で流すもんだろう。

ここまできたら『ロッキー4炎の友情』の特訓二連発を観なきゃウソだろう。

『4』の時は世間的にMTV=いわゆるミュージック・クリップが世間で認知され始めた時期ですから、当然われらがスタローンもガッチリ取り入れて、モンタージュなら俺が元祖だと言わんばかりに全編MTV感覚でぶっ飛ばす快作。91分しかないのに、頼まれもせずに特訓二連発でキメてくれます。双眼鏡を上げるだけで4カットも刻むあたりに尋常じゃない感覚を感じますが、そんなの直後のヴィンス・ディコーラのトレーニング・モンタージュがかかり始めたとたんに消し飛びます。基本的にドラゴの科学的アプローチによる訓練と、ロッキーの原始的(露骨に!)トレーニングを対比させる構成ですが、ロッキーときたら馬を助けたりして結構余裕。それでも炎越しに懸垂するロッキーはあまりにもストレートに燃える演出。で、なあんかロッキー的に燃えきれねえなあと思って戻ってきたら……

エイドリアンが来ていて、やっぱりコレだなという雰囲気が注入されるやいなや!

Hearts on fireがものすごい勢いでかかり始めて、ロッキーのエンジン・フルスロットル。やっていることは基本的に変わってないんですが、トレーナーのトニー・バートンによる名台詞「No pain」があるだけで排気量の質が違いすぎ。「ノーペイン、ノーペイン」は試合中でも常にロッキーを洗脳し続けますが、男なら常にどんな苦境でも「ノーペイン」の気合が必要なのはいうまでもありません。この特訓シークエンスの史上最高なのは何と言ってもラストの雪山登り。Hearts on fireもアルバムに収録されているような軟弱なバージョンではなく、どんだけ盛り上げてんだというぐらい延々テンションあげていくバージョン。サントラにはコレを入れるべきだろう!! そんで、「ドラゴォォォォォォォォ!!!!!」しかないだろう!!

しっかし、ドラゴの写真握りつぶすタイミング中途半端過ぎるぜロッキー。


とどめは、上でも書いた『2』のガチンコ・バトル!

やっぱりアポロ強すぎる! 吹替えが内海賢二ってあたりでもう勝てるわけがないんですが(残念ながらYouTubeは英語)、2ラウンドでの「さあ、いくぞぉぉぉ!」と腕を振り回してからロッキーをコーナーにブッ飛ばすあたりのコテンパンぶりは最高。1ラウンド終了時にロッキーの頭を小突く挑発もチャンピオンっぽくて憎い。アポロが決めるやコーナーで満面の笑みで拍手しているトレーナー陣も素敵過ぎ。このアポロの本気度がホントにいいんですよねえ。2ラウンドが終わって、いよいよというタイミングで”Conquest”がかかり始めるや、実況が絶叫する名文句

「これはもう第三次世界大戦です!」

に偽りなし!!


・・・

何度聴いても”もしもピアノが弾けたなら”状態になる曲ですねえ。

*1:余談ですが、『2』のテーマは結構思い入れがあって、初めて買ったLPレコードの二枚組み『最新映画音楽傑作選』に収録されていたんですよ(このアルバムって『ジョーズ』も2だったなあ……)。小学生のときに初めて買ったLPレコードだったので、毎日毎日擦り切れるほど聴いてました。