男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

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プライベート・ライアン』移行、ありとあらゆるクリエイターの中にある地獄絵願望に火が付いたのは明白で、様々なクリエイターが時には独自の路線で取り組んだり時には単純にパクったりと、様々な地獄絵図が色々なメディアに登場したわけですが、ジャン・ピエール・ジュネも今回の映画で第一次世界大戦を舞台にその欲望を満たしたようです。

運命を信じて死んだと思われる恋人の無事を探る女性を軸にして、段々と真相が明らかになっていく構造なのですが、フランス人の名前が覚え難いのもあって、スムーズに話が見えてこなかったのは少し残念でした(ジュネのテンションの高い映像と、交錯する場面転換や謎解きの部分の説明が観客に分かりづらいと思うのですが……)。

それでも独特の琥珀色に満ちた風景と、モノトーンのような渋い色調で統一された寒々とした戦場の風景が織り成す映像美はさすがジュネ監督という印象で堪能しました。

勿論メインである塹壕戦のシークエンスは素晴らしく、ジュネ監督得意の真俯瞰による映像や、シネスコ画面を活かした横に広がった構図など、リアリティとは別の視点で構成されているのが印象深かったです。

アンジェロ・バダラメンティの音楽も印象的なメロディというよりも、場面場面の感情の流れを明確にしていて良かったです。