男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

シネスイチ板橋プログラム9『モンスターズ地球外生物』★★1/2


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日常としての非日常

ハリウッドで再リメイクされることが発表されて話題になった『ゴジラ』。その監督に抜擢されたのがこの作品の脚本監督撮影特殊効果であるギャレス・エドワーズ

公開時はスルーしていましたが、お手並みはいけんということでBlu-rayを購入してみました。

低予算が売りの割には東宝らしい「良心的」な価格設定ですが、Amazonでは購入時60%オフだったのでかなりお買い得になっていました。

低予算とか言っておきながらキチンとシネスコサイズなのが個人的に嬉しい。POVに近い(初期ではそういう構想もあったそうです)作風の作品ですが、シネスコサイズで切り取られる美しい「日常としての非日常」の風景は、なかなか力強く印象深い。

低予算だからといってB級な雰囲気はほとんど感じられず、要所要所で登場する特殊効果の映像も見事な映像美を見せてくれる。

特に「壁」によって隔離政策が施されたアメリカの描写や、その内部の惨状などはとても低予算とは思えないクオリティ。


中でも強烈に印象深いのは、巨大な地球外生命体がほとんど直接に描写されない部分で、夜の川に止まったボートが危険に襲われるシークエンス。

暗闇の中を何かが川面を切り裂いて現れたと思ったら、墜落したジェット戦闘機だった時の衝撃はなかなかのもの。あの「日常の中に紛れ込むリアルな非日常感」は素晴らしかった。


いわゆる怪獣による災害が起こった「後」の世界を丹念に描くことで独特のロードムービーとなっている点は大変評価できる。

終盤の展開に哀しい仕掛けが施されており、もう一度見直さざるをえない作りになっているのもパッケージメディアを前提としたシナリオで面白い。


・・・

ただ、この方向性で『ゴジラ』を描くとしたら、ユニークではあるけど『ゴジラ』でやらなくてもいいんじゃないと思う。

ゴジラ』は「災害」すら超えた恐ろしい何かでなければならない。人知を超えた圧倒的な「意志の力」が巨大な身体で襲ってくるのが恐ろしいのだから。



近代怪獣映画を代表する傑作。



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