男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

バットマン ビギンズ 特別版 [DVD]★★★

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ボクはティム・バートンの『バットマン』(asin:B000ASBYZM)『バットマン・リターンズ』(asin:B000ASBYZW)が大好きで、今回のスペシャル・エディションも購入済み。

バットマン・フォーエヴァー』や『バットマン&ロビン』などは勿論シリーズに加えた覚えはない人間で、今回の原点回帰というコンセプトは大いに大賛成です。

製作時には監督の交代や紆余曲折あったようですが、出来上がった作品は当初のコンセプトを貫いているダークな雰囲気を持つ作品として評価できました。

ハンス・ジマーが作曲したであろう、相変わらずのお手軽なテーマがところどころで聴かれるのですが、もっとも印象に残るのは冒頭のワーナー・マークから不気味な旋律を刻み付けるジェームズ・ニュートン・ハワードの音楽のほうでしょう。元々単純な旋律を低音で刻み付けるような音楽が大好きなので、あのテーマが流れるとティム・バートン版で伝説と化しているダニー・エルフマンバットマンのテーマとはまるで違う興奮が味わえました。

要所要所でかかるのですが、やはり”戦闘準備”大好き人間としては、イチイチ自分で手作りするバットマン関連の装備品準備のくだりが最高に燃えました。

「ばれないように大量生産しましょう」
「いくつぐらいだアルフレッド」
「ざっと一万個ほど」
「…それだけスペアがあれば安心だ」

という感じの億万長者ボケしたブルースと執事のアルフレッドの絡みも少ないながらも笑えます。これはおとぼけ演技なら随一のマイケル・ケインの力に負うところがおおいでしょう。

クリスチャン・ベールが(たいして似てないのに)どうしても福井晴敏に見えてしまう所為で、

無駄な没入感の障害があったのですが、他のキャストはかなり個人的な好みのキャスティング揃いでした。

中でも一番の儲け役はやはりゲイリー・オールドマンでした。まさかここまでちゃんとああいう役を演じられるとは思っていなかったので嬉しいショックでした。爆死もしなければ薬にも溺れず、なおかつキれるなんてもってのほかという、おおよそいままでのゲイリー史上例のない役どころ。腐敗にまみれた警察内で唯一正義を信じてバットマンを援助するゴードンは、コメディ・リリーフとして美味しいところを持っていってました。しかし、まさかゲイリー・オールドマンバットモービルに乗るなんて誰が想像できたでしょうか。これからも名バイプレイヤーとして頑張ってほしいと思います。(映画の中の死亡率の高さはトップクラスの役者なだけに)

今年はモーガン・フリーマンの当たり年ですが、ボクも昨夜は『ミリオンダラー・ベイビー』を観ていたりして、夢に出てきそうです。この映画でも終始余裕のあるエレガントな芝居で画面に黒い華を添えていました。

ただ、クリストファー・ノーランはアクション演出のセンスが三世代ほど古いので、そこらあたりは厳しいものがあったのも事実です。もしかしたらプロダクションの意向でアクション・シーンだけは派手にとか言われてジレンマに陥ったのだとしたら残念ですが。もっとダークな作風に合うソリッドなアクションに徹するべきだったように感じました。