男たち、野獣の輝き

旧映画ブログです。

Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ミリオンダラー・ベイビー [DVD]

ミリオンダラー・ベイビー [DVD]

ミリオンダラー・ベイビー [DVD]

クリント・イーストウッドが今年のアカデミー賞で下馬評を蹴散らして監督賞と作品賞、主演女優賞と助演男優賞を獲得した重圧なドラマ。

前作の『ミスティック・リバー』でも感じましたが、どんどん作風の重さに比例して画面の中を暗部が占めるようになってきた撮影ですが、今回もシルエットの多様や影の中の人物などなど、極端なほどに画面を影が覆っているのが非常に印象的でした。イーストウッドはこういう傾向の作品を作るときにこの影の多様を見事に使いこなす人ですが、今回はかなり極まった感じを受けました。

ヒラリー・スワンクは受賞も頷ける素晴らしい芝居で、顔の表情だけで「いい娘」だと思わせてくれました。モーガン・フリーマンのいぶし銀の芝居もグっと胸を打ちます。

前半部分の前向きなお膳立てが、後半部分の急展開において非情な対比を生み出していて常に胸が締め付けられるような気持ちになりました。

中でも凄いのはマギーのクソ家族たちで、病院にウユニヴァーサル・スタジオのグッズ・フルセットで現れる辺りは観客に与える殺意が半端じゃなくて、あそこらあたりはイーストウッドのマゾ気質が変な風に働いているのじゃないかと怪しくなるほどハマりまくってました。