男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

『サマーウォーズ』を観ました


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リメイクだったのか!?

去年の夏、『ヱヴァンゲリヲン:破』と並んでスマッシュヒットを記録した細田守監督初のオリジナル劇場長編。

今回ブルーレイで初めて鑑賞しました。

予告編でもうっすらと見えていましたが、観終わると驚くべき事に細田守監督の名前を世に知らしめた(少なくともボクはこれで知った)



の「リメイク」と言っていい作品でした。

あちらが”デジモン”と言う子供向けアニメシリーズの劇場版作品として作られている前提があるだけに、当然一般層にはまったく訴求しない形になっているわけで、今回の作品はあれを「一般向け」として作り直すという企画意図なんだと考えられます。

基本的なプロットは『ぼくらのウォーゲーム』と全く変わらず、各ディティールを別のモノに置き換えているパターンです。

が、

個人的にはオリジナルが大好きな事を割り引いても、”お涙ちょうだい”演出が鼻についてどうしようもなかったです。いや、あれはあれで王道だとは思うんですが、どうにもこうにもとってつけたような印象を持ってしまうんですよ。ボクの勝手な考え方では「細田守監督はそういうの根本的に信じていないんじゃないのか?」って事です。ロマンチストじゃないと言い換えてもいい。

オリジナルの『ウォーゲーム』でも輝いていた田舎に行ったキャラクターのプロットをメインに据えたところは大変好みだったりするのですが。


あと、『カウボーイ・ビバップ劇場版』でも思ったのですが、アニメでフルショットの格闘シーンはやらない方が良いんじゃないでしょうか? 格闘シーンのフルショットは実写でないと成立しないと思うんですけど。アニメではやはりカット割りとリミテッド作画で見せる方が燃えると思うんですけどね。もっというと「格闘シーン」というモノ自体が転換点を迎えているんじゃないかと思うんですが、これはここではどうでもいい話ですね。


最後の花札対決も演出だけに任せて、シナリオ的な盛り上がりはオリジナル同様「元気玉」方式だったのも少々いただけない。リメイクなんだからもっと「あ」っと驚く逆転劇を期待してしまいました。

そもそも主人公の数学スキルが二転三転の部分に分離しているのが原因じゃないかとも思います。「ジェダイ構成」(3つのプロットが入り乱れて、どれが失敗してもダメってやつ)自体も古典になっていてアレですが、クライマックスはもうちょっと絡めて欲しかったところ。あれだったら、最初の暗号解読の失敗が「手書き」だった事に因ることにして、いよいよ「暗算」によって解読することで突破した方がカタルシスがあるような。まあ、これも「ルーク、フォースを使え」「幻影に惑わされるな」などと同じ古典的な盛り上げ方ではあるんですけどね。

ちょっと優等生過ぎるんじゃないかと思うわけです。


ただ、カズマが対決に備えて準備するシークエンスで、液晶の遅延を気にしてHDブラウン管を用意させる場面は燃えましたよ! しかもSONYを持ってくるあたりは素晴らしい!!(田舎だったらナショナルになりそうなのに!) あれどの機種か分からなかったので調べてみたら、業務用の受注製品らしいです。さすがスーパーコンピューターを扱っているだけあって凄いの用意してるな。