男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

花とアリス

花とアリス 特別版 [DVD]

待望のハイビジョンでの放送です。監督の意向でドルビーステレオで製作されている音声ですが、結構サラウンドしていて唸りました。

撮影はソニーのシネアルタによる24P撮影だそうです。「リリィシュシュ」もそうだったようで、篠田昇は撮影監督という肩書きですね。実際は角田真一という人が行っているようです。岩井俊二のCMで撮影を担当している人ですね。

映像自体は相変わらずの篠田調とでもいうべき雰囲気が全開で、早すぎる死が残念ですね。

今回のハイビジョン放送に際してのマスターがデジタル素材なのかフィルムからなのかが分からないのですが、映像の情報量はDVDより格段に良くなっていると感じました。

今回が二度目の鑑賞なのですが、やはり岩井俊二の脚本は見事で、どうでもいいような枝葉に隠れた伏線などが活きてくるあたりはグっときます。

<ハイビジョンの見所>

  • バレエのシーン

クライマックスであるアリスのバレエのシーンは木製の床の質感が素晴らしく、カメラ位置を低くしてのフォローショットなどでは息を呑みました。(マイケル・ジャクソンのPV「JAM」でも床を低位置で高速フォローする撮影がカッコよかったのを思い出しました)

  • 花屋敷

ハナの家である花やしきはそのものズバリで花だらけなんですが(このあだ名で明らかになるアナとアリスの出会いのエピソードはグっときますねえ)、この色とりどりの花の表現が素晴らしかったです。このあたりの発色は作り物臭いと感じるほどですが、それが逆にいいんじゃないでしょうかね。

  • 雨のシーン

何度か雨の中のシーンが登場するんですが、濡れて肌についたハナの服など、ハイビジョンならではのクリアな映像が堪能できます。ハイスピードでの水滴の表現も同様に美しい。

  • テヅコー文化祭

ハナのクライマックスである手塚高校の文化祭シークエンスはハイビジョンの映像美が堪能できまくり。高校の文化祭のイメージを見事に再現した岩井俊二や美術陣の仕事も併せて素晴らしいです。手塚高校の名に恥じないように手塚キャラだらけの扮装や、重要なシーンで背景に登場する迫力満点のアトムのアドバルーンも緻密な映像で再現されているので視覚的な効果が抜群でした。(アトムの場面は劇場のスクリーンで観てみたかったです)