男たち、野獣の輝き

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Beauty Devaisethのファイナル・ファンタジー14新生エオルゼア奮闘記

ミスティック・リバー★★★

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撮影監督に新たに昇格したトム・スターンの撮影は曇天の自然光を活かした暗部の目立つ極めて美しい映像をモノにしていました。シネスコのフレームも奇を衒わずに使いこないしている印象。ハイビジョンでもそのキメの細かい映像が再現されていますが、本当に真っ暗な場面では黒レベルが低すぎてさすがに何にも見えませんでしたので、シネマモードの黒レベルを上げて見ました。どうしてハイビジョンの放送はあんなに暗いのか。

ケビン・ベーコンが抜群に上手い芝居を堪能させてくれますが、相棒のローレンス・フィッシュバーンがちょっと力不足に感じてしまいました。まあ「マトリックス」のイメージが強い所為でイーストウッドの映画に馴染んでいない印象もあるかもしれません。
ショーン・ペンはいるだけで爆発しそうな気配は若い頃のままで、歳とともに身につけた貫禄の所為でますます危険なムードが漂っていました。いつも見ていてカメラの向こう側の心配を抱かせてしまう役者が嫌いなのですが、今回はイーストウッドという大先輩が監督しているという事で妙な安心感がありました。
ティム・ロビンスはお得意の何考えているか分からない芝居が炸裂していましたが、ミス・ディレクションとしてあからさま過ぎるような気も…

とはいいながら、ミステリーとして観た際の肝はキチンと抑えられているので、フーダニットには最後まで予想がつきませんでした。そういう意味では大いに楽しんで観たわけですが、あのテーマは非常に重くて虚無感が漂いまくりですね。イーストウッド自らが手がけた音楽も荘厳で、要所にガっとかかるのが印象的でした。他には徹底的に地味な音楽に終始している点もイーストウッドの嗜好が色濃く出ているように思います。